町田 社会
公開日:2021.08.12
社長もスタッフもろう者の会社
聞こえないからこそ引き立つ力を発揮
(株)ダイアログまちだ
市内でハウスクリーニングをメインに行う「株式会社ダイアログまちだ」は耳の不自由な人たち(ろう者)が働く会社。手話と筆談、ジェスチャー、時にはスマホのアプリを駆使して”賑やかに”コミュニケーションを取っている。
会社を営む玉木浩人社長は3歳の時に肺炎にかかり、ストマイの注射を打ったことが原因で耳が聞こえなくなった。小・中学校は普通の学校に通い、高校は聾学校に入学。しかし手話ができなかったため、友達がなかなかできなかったという。卒業後は建築関係の仕事に就いた。ここでは健聴者とろう者のコミュニケーションがうまくいかずに簡単な仕事しか任せてもらえず悔しい思いも。玉木社長は「もっと責任のある仕事をして、スキルアップも目指したかった」と振り返る。そこで同じ苦い経験をしてきた聞こえない仲間と一緒に働きたいと思い、今の会社を立ち上げた。
ろう者の仲間と一緒に働ける喜び
仕事をする上で玉木社長が大切していることは2つ。1つ目は「ホウレンソウ」。ささいなことでも必ず報告・連絡・相談し、共有する。2つ目はスタッフが一人立ちできる様にスキルを身につけるよう指導するというもの。ハウスクリーニング以外にも様々な取組をしている同社。着物をリメイクしたり、オーダーメイドの洋服やマスク、バッグ、ハンドメイドの仕事も行う。「うちの女性スタッフの技術は素晴らしいです」と玉木社長。「ろう者の仲間たちと一緒に働ける喜びが一番大きい。それにより、お客様からもたくさん応援してもらい、料理教室、手話教室、様々な手作り教室を開くと喜んでもらえて、こちらも嬉しい」と笑顔を見せる。
さらに「スタッフ一人ひとりが仕事を楽しみながら、ろう者が仕事のしやすい会社と社会を作りたい。仕事のやりがいをここで見つけて欲しいと思っています」と胸中を打ち明けた玉木社長は「聞こえない人は聞こえるよりも見る力というものが優れています。見落としがちな汚れもはっきりと目立って見え、すぐわかります。目の力を生かした『きれいになるクリーニング』『細かい作業もきっちりと仕上げているハンドメイド作品』は私たちの強み。ぜひお試しください」と力を込めた。
(株)ダイアログまちだ/町田市木曽町500の6/【FAX】042・813・0612
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