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町田 社会

公開日:2022.04.07

希少なタマノホシザクラ守る
小山のホタルと自然を守る会

  • がく片が星状のホシザクラ(3月31日撮影)

  • 見学者の質問に答える菅原会長と畠山さん(右)

 多摩境駅からほど近く、小山町の住宅街の中に、自然豊かな片所谷戸(かたそやと)緑地がある。そこは夏にはホタルが飛び交い、今の季節はサクラの絶滅危惧種、「タマノホシザクラ」が花を咲かせる貴重な緑地となっている。

 「片所」の「かた」は傾き、「そ」は岨、すなわち崖のことで、急斜面の崖の多い土地のことを意味しているという。タマノホシザクラは町田市の小山内裏公園とこの片所谷戸、隣接する八王子市南大沢の多摩地域にしか自生していない希少種で、2004年に新種で発見された。約一万年前にエドヒガンザクラとマメザクラが交雑して生まれたもので、種子ができず、根から子株が成長するクローン繁殖のため、地域的に限定されるという。

町内会の有志で結成

 それらを調査し、月一回作業日を設け、下刈りや樹木伐採などをしてホシザクラの成長を見守っているのが1998年に地域の町内会の会員を中心に結成された「小山のホタルと自然を守る会(菅原信明会長)」だ。07年に正式なボランティア団体となり、現在17人の会員が登録している。

 サクラと言えば、ソメイヨシノが一般的で、今の季節に壮観に咲く様が見事だが、ホシザクラの樹形はおとなしく花弁はシンプルで多くなく控えめ。しかし「がく片が鮮やかな赤い星状で、ささやかな個性を主張し、滋味深さと高貴さを感じる」と同会の事務局長を務める畠山光則さん=人物風土記で紹介=は話す。畠山さんは谷戸のホシザクラやホタルの現状、会の活動報告などをまとめて、春と夏の年2回ほど会報「片所の里通信」を発行。小山市民センターに貼り出したり、同会のホームページに掲載するなどして地域の人たちに向けた情報発信を行っている。また、会員らとともに、谷戸の近くにある小山中央小学校の自然教室の講師を務めることもあるという。同小の校章のデザインや校歌の歌詞にもホシザクラやホタルが入っており、「ここは地域の誇りとなっている。自分の地元を自分たちでを守る大切さを伝承していきたい」と畠山さん。

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