町田にカレーブームの兆し？
ＪＲターミナル口で事件発生

　町田市の窓口となるＪＲ町田駅ターミナル口の飲食店街「ターミナルエイト」・全９店のうち４店がカレー専門店となる事件が起きている。「四天王」ともいえるこの４店は、町田にカレーブームを引き起こすのか──。ターミナル口の飲食店街を探ってみた。

反骨の狂戦士

　まず対峙するのは、「反骨の狂戦士」、ロックなカレー屋ＹＡＳＳカレー。出店当時、周囲の反対もあったというものの、「目的地として来てくれる方にゆっくり楽しんでもらえれば」とこの地に出店すると熱狂に火をつける役割を担うことに。カレー店が増加した現状を「客足が増え、すごい効果」と笑顔で語る。その反骨精神が、町田のカレーブーム到来を予感させる。

洗練の求道者

　ＹＡＳＳカレーの前で静かな炎を燃やすのが、「洗練の求道者」、和だしカレー専門店かれいやだ。お客さんが通いやすいようにとこの地に今年５月に移転。「古書街の神田で、本を片手に食べることができるカレーが根付いたように、図書館が近いここもゆっくり過ごす文化が生まれれば」と独自の視点で分析する。

大地の賢者

　一方、この地の歴史を知るのが「大地の賢者」、ベジフルスパイスだ。ターミナルカレー史は、この最古参から始まった。人気のラーメン店を運営していたオーナーが「野菜で元気になってほしい」と考えた末、選んだのがカレー屋だったといい、同業が増えた現状を「この場所にとってはいいことでしょうね」と温かく見守り、全てを知る賢者のような懐の深さをみせる。

革新の将帥

　そして、この潮流を一大ムーブメントへと導くのが、先月移転してきた「革新の将帥」、リッチなカレーの店アサノだ。近くの町田仲見世商店街で人気を博した実力店。「タイプが見事に違うから、お客さんは楽しめるんじゃない。一緒にスタンプラリーとかもできそうだよね」。個の力を結集し、街を面白くする。将帥の未来図は大きい。

　この熱狂を行政も歓迎する。この地を管理する町田市産業政策課の担当者は「市内を代表するカレー店が生み出す相乗効果に期待していますし、カレー以外の飲食街店舗も魅力的なので、ぜひターミナルプラザに来てもらえたら」と期待を寄せる。

四天王以外も

　実はターミナル飲食街には、四天王と合わせて巡りたいカレーが存在する。飲食街に入る洋食屋の欧風カレーや、みそラーメン屋のカレーラーメン、そして、カフェが期間限定として出しているランチカレー。これらの個性派たちが、町田のカレーブーム到来を予感させる。

　ターミナルエイトに足を踏み入れれば、そこはスパイスの香りが渦巻く、新たな冒険の始まりの場所。どの店の扉から開けるかは、あなた次第。さあ、町田カレーの最前線へ、ようこそ。