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八王子 人物風土記

公開日:2019.01.31

「春高バレー」で3位となった、八王子実践・女子バレーボール部の監督を務める
貫井 直輝さん
館町在住 47歳

役割持たせ、「仲間の芽」生む

 ○…3年ぶりに、全国で4チームしかプレーできない「センターコート」と呼ばれる決戦の場へと選手たちを導いた。求めたのは観客が見ていてわくわくするような試合。選手たちはそんな指揮官のメッセージを、相手のレシーブを粘り強く拾い、勝機をうかがう――「自分たちのバレー」を実践することで応えてくれた。「負けたのは悔しいけど、最後なんてよく粘ったと思うよ。1、2年生が多いチーム。来年が楽しみ」

 ○…指導歴は20年を超える。心がけてきたことは、選手としての力量に関係なく、一人ひとりにそれぞれの役割をもたせること。「自分に何ができるのか」と日頃から周りをみる習慣を身につけさせ、常に仲間のことを意識するように仕向けてきた。「落ちている小さなゴミにも気づく、そんな風にね」。それがチームワークを武器にする名門校の強さの秘密になっている。

 ○…幼い頃は、ひと際身体の大きなガキ大将だった。よく友だちと喧嘩もしたと。そんな少年が変わったのが小学5年生の時。担任となった先生が自分を「見てくれた」ことをきっかけにそれまで苦手としていた勉強にも力を傾けるようになった。「それまで先生とは怒る人、だったんですが」。その出会いが教師という職業、バレーに目を向けさせることにも。「先生のようにと、バレーにも憧れをもったんです」

 ○…新チームの練習がスタートした。自身のこれまでの最高成績は全国2位。「そろそろ選手にてっぺんからの眺めを望ませたいですね」。僅差で日本一を逃し続けてきただけに頂点への思いは強い。選手やその競技環境を支える保護者らの”父親”としてチームの舵取り役を新シーズンも大きな声をもって務める。「選手の成長を見ることができる。それが一番うれしいことです」

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