八王子市消防団の初の女性副団長に、4月1日付で就いた 田崎 幸子さん 東浅川町在住 41歳
「明確さ」が、相互理解に
○…「グレーは嫌い。白か黒かはっきりさせたい」と明確な性格。男勝りで昔気質の人情家。一方で、周囲からは「繊細で細かい気配りができる」とも評される。異例の若さでの就任ともなった。副団長は、消防団員だった父が最後に務めた階級でもある。今、父の通った道(階級)を一つずつ追いかけていくと、「あのとき、こういう思いだったんだ」と理解できる景色があるという。
○…子どものころから、団の活動は当たり前の風景だった。小学生のときには、詰所のサイレンが鳴ると消防署に電話をして火災場所を聞いて父に伝え、防火衣を用意した。あまりに日常の光景で、特別に「かっこいい」「大変そう」とは思わなかった。そして当然のように20歳になる年に入団。周りにいるのは近所のおじさんたち。ここでも日常の延長だった。
○…3代目の女性隊の隊長を3期6年務めた。方針は明確だった。「言いたいことは全部言わせる。ただし、訓練が終わった後には言わせない」。すると自然に陰口は消え、お互い意見を言い合える環境に。「女性は子どもが熱を出したり親の介護があったりと、活動に出られないことも少なくない」。そこで生じる不公平感をなくすために、「お互いの状況を理解することは男性以上に重要」と痛感した。
○…団では女性を応急救護の指導員というスペシャリストとして育成している。「何かあったときに家族を守れる技術」。子どもは長女と長男の2人。団の活動が忙しくて子どもと接する時間が犠牲になっていたという後悔も。しかし、最近では反抗期を終えた長女と出かけるのが楽しい。「無理に消防団に入らせるつもりはない。(私が)大変なところも見てきているし」。でも少しだけ期待している。
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