障害等のある子どもの家族が集う「きりんさんの会」で代表を務める 伊藤 彩乃さん 中野上町在住 36歳
楽しさと癒し、共に感じて
○…身体や知的障害、病気がある子どもとその家族に心が安らぐ場を提供しようと、６年前に会を発足。就学準備や行政サービス、子育ての情報を共有しながら、子どもたちを楽しく見守る。会員は八王子市内を中心に59家族。「近い境遇の母親同士であれば、気兼ねなく話しやすかったりもする。気持ちよく帰ってもらえたらうれしい」。みんなの居場所を「細く長く続けたい」と願う。
○…出身は立川市。プロのツアーダンサーだった親戚の影響で５歳からダンスを始め、ジャズやアクロバットを経験。中学校の吹奏楽部、高校のダンス部では部長で「自然とリーダーになることが多かった」。販売職に就く傍らダンススクールに通い、発表会に出演。４年ほど前から講師として幅広い世代に教える。
○…11年前、結婚を機に八王子へ。出産した長女に脳性まひと脊髄の病気が認められたのは２歳のときだった。それまで大学病院の検査で異常なしと診断され、「何もしてあげられずモヤモヤしてたけれど、障害が分かって何が必要か明確になった」。自力で歩けないため大人の介助を受け、車いすを使う。今春で小４に。「障害を受け入れるのは時間がかかるけれども、受け入れたらかわいい」。ダンスのレッスンにも同行し、踊れるようになってきた。
○…自ら舞台に立つ一方、レッスンでは障害のある子にも指導する。「寝たきりの子でも上半身で踊れる。きりんさんの会もダンスも、普段味わえない楽しみを感じて、みんなが幸せになってくれたら本望」。住み慣れた八王子で、長女と浅川付近を散歩するのが日課だ。個性の違いを超えてみんなで遊べる「インクルーシブ公園」を市内につくろうと、署名運動も続ける。「全てのことに学びを止めない」
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