静寂から爆発、奏でる歌

　○…１４９・７センチの小柄な体からあふれる、儚くも力強く、優しくてたくましい歌声が、聴く人の心を揺さぶる。音楽の世界に入って20年。全国を飛び回り歌ってきた。町田市のまほろ座を拠点にソロ活動を始めて４年。誕生日に初めて開催する大ホールでのコンサートに気合いが入る。オリジナル曲に洋楽、邦楽のカバー曲の数々。これまでの音楽活動の全てをぶつける。

　○…横浜市で生まれ、３歳でクラシックバレエを始めた。宮城県に引っ越し、出会ったのが市民ミュージカル。小３のときから劇団四季の脚本・演出家のもと多くの舞台に立ち、表現力を磨いてきた。母子家庭の寂しさも「明るく暮らせたのはミュージカルに夢中だったから」と微笑む。その後、音楽事務所へ入るために16歳で上京した。

　○…事務所では音楽劇｢赤毛のアン｣の主演やカラオケのガイドボーカル、ＣＭ出演で経験を積んできた。丹木町の創価女子短大に通い、子安町で一人暮らし。自転車通学で、ひよどり山トンネルを走った。「白鳥祭」では１年のとき実行委員長で、ダンス振付と出演も。八王子駅前の路上ライブで出会ったお客さんは「今も応援してくださってる」と感謝する。

　○…20代はギタリストとユニットを組み、全国行脚。お祭り会場やスーパー銭湯、結婚式場、葬儀場。さまざまな舞台で歌った。念願のアフリカでのライブも決行。どんな環境でも歌える自信と度胸がついた。「静寂から爆発まで」と評される、幅広い表現力はこうして培われた。ユニットは11年目で解散したが、人生の伴侶と出会い、娘も誕生。東京多摩でのライブ活動は今も続く。思い入れのある東京富士美術館の「ナポレオン展」に掛け、座右の銘は「私の辞書に--」だ。