第6回 やまとそぞろ歩記 井上貴雄
今年を振り返ると激動の1年だったように思われます。もちろん、3月11日の東日本大震災。このまま日本が壊れてしまうのではないかと思うほどの被害。長野もひどいと聞いています。9月には近畿地方での土砂災害。多くの人命が失われてしまいました。
7月、10月と私の成長過程でいろいろな影響を与えられた叔父たちが亡くなり、ぽかりと心の中に空間が出来てしまいました。そして秋を過ぎたころから、過去最高の数の喪中はがきを受け取りました。
多くの人の悲しみに満ちた一年が終わろうとしています。
そんな中、今月の上旬に千葉、茨木、福島と被災地を見てきました。液状化の怖さ、津波の恐ろしさを9カ月経っても目の当たりに感じさせられる状況でした。小名浜漁港では、港が復旧できずに船が一隻も停泊していませんでした。昨年見た情景が崩れてしまったままでした。
宮城県の方々と話す機会も何度かありましたが、口ぐちに言われるのが「本当の復興はこれからです」と言う言葉です。
今、災害に遭わなかった私たちが、何が出来るかを、再度考える時が来ているようです。
義援金、支援物資、ボランティアも必要かもしれませんが、それ以外の援助は技術を持った方々の援助が必要になってきているようです。
日本全体が一つになって、みんなが元の生活に出来るだけ近い状況に一刻も早く戻れるように、みんなの知恵と力を合わせて、新しい年が良い年になるように願います。
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