市政を読む vol.2 PRに使う数字
大和市が2月24日に発行した広報やまと『号外やまとニュース』には大和駅東側第4地区再開発ビルに整備する複合公共施設に関する内容が記載されている。
本紙では先週号で「建設にかかる予算約119億円」について検証した。今週は、大和市が「未来に投資できる理由」としてあげた「6年間で借金(市債)約125億円減。貯金(財政調整基金)約22億円増」に迫る。
大和市の借金(市債)残高は15年前の1997年に過去最大の1123億円あった。大和駅前の連続立体交差や市立病院の建設など市の基幹施設が軒並み完成した時期でもある。借金はその後の10年間で946億円に、そして2012年度末には851億円まで減少する見通しだ。
市税収入が同規模他市よりも少ない大和市が、市立病院などの大型公共施設を持つには、健全な財政運営なくしては成らない。その健全運営を表現する言葉が「6年間で125億円の借金が減った」では、先人の労苦が報われない。
市の貯金ともいえる財政調整基金は、財源不足を補う際などに一般会計に繰り入れる普通貯金。大和市では毎年4月に予算化した事業費を1年間で使い切らなかった際に、余った金額の半分を財政調整基金に積み立てる慣例がある。12年度末の基金残高は人口規模がほぼ同じ厚木市の約2・7倍にあたる約55億円となる見通しだ。
号外は「6年間で貯金が22億円増えた」と強調しているが、大木市政が12年度末までに増やした貯金は16億円。PRに使った数字よりも6億円少ない…。
このように桁外れの数字にはさまざまな要素がある。号外で「125億円減、22億円増」の数字を使ったあたりには政治的な思惑が見え隠れする。 (つづく)
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