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大和 人物風土記

公開日:2016.12.02

桜ケ丘の美容室に勤務し、数々の美容師コンテストで入賞している
山口 冬樹さん
福田在住 29歳

腕が光る謙虚な2代目

 ○…11月に行われた「フェスティバル・ド・ジャポン」で、カットアート部門3位と審査員特別賞であるジャーナル賞を獲得。2013年からは毎年県代表として全日本美容技術選手権に出場し、14年には部門5位に入賞。「賞をもらえるのはとても気持ちがいい。さらに上を目指そうと思える」。そのために、営業時間終了後の1日2時間の練習は欠かさない。

 ○…街でも歩ける髪型「ストリートカット」が得意。作品で意識しているのは色使いと毛流れだ。顔が小さく見えるようにグラデーションにカラーし、人工的に見えないよう自然な曲線を作り上げる。数々のコンテストで入賞経験はあるが、優勝はまだない。「1番をとるまではやめられません」と力強く話す姿からは、負けず嫌いな性格と技術への誇りが伝わってくる。

 ○…桜ヶ丘の美容室「シーウェーブスタイルクラブ」オーナー夫婦のもとに生まれた。小さい頃は「カリスマ美容師」ブームで、美容師の父が自慢だった。高校まで運動に打ち込み、将来を考えて美容専門学校に進学。その初日の登校で「洗礼」を受けた。「ジャージで登校したのですが、他の学生はすごくおしゃれで。『ダセーな』と言われショックを受けました」。しかし、この「ジャージ事件」が転機となり、おしゃれや髪形をつくる楽しさにのめりこんでいった。卒業後は、「甘えたくない」との思いから実家ではなく茅ヶ崎の美容室に就職。8年間修業し、昨年実家に戻ってきた。

 ○…常に仕事が頭から離れない。街を歩いていても、何か髪型のヒントになるものはないかと考える。茅ヶ崎時代の同僚と今年3月に結婚。2人で旅行に行くのが楽しいのだとか。将来の目標は、父のような経営者。「父のように一人ひとりのお客様を大切にして、桜ヶ丘の街に貢献していきたい。私はまだまだですけどね」。毛流れにこだわる謙虚な2代目が、地元で新たな流れを生みだすため奔走する。

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