徒然想 連載326 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄
今月は、生まれによってバラモンなのではない、...行為によってバラモンなのである、です。
出典はインド、原始経典『スッタニパータ』。
バラモンとは古代インドの社会階層制度で、四姓制度の最上位であったがため、自分達を最上位に置き、「あるべき社会の理想像」という性質が強かった。元来は宗教儀礼を司る僧職の人達の事で、それだけに戒行を整え、有徳の人であったし、そう期待されていました。しかし、釈尊の時代にバラモン階層の人数が増え、僧職だけでなく職業も多種になり、「生まれ」によって階層(カースト)と同時に職業が決定されるという社会の制度が定着していくのです。
釈尊は常に一般の社会の人々に対しても、カースト制度の意味なきことを説きました。故に『スッタニパータ』の他の箇所では、あるバラモンが「坊主頭のにせの修行者よ、賤しい者よ」と釈尊に問いかけた際に、「どういう人を賤しいと言うか知っているのか」と反問し、「人間としての徳を欠き、非行をなす人こそ賤しいというのだ」と説いたと言われています。私たちも自分を大切にするように他の人への思いやりを忘れずにいたいものです。
桃蹊庵主 合掌
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