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海老名・座間・綾瀬 人物風土記

公開日:2014.10.24

市内で無料着付け講習会を行っている「雅会」の主幹を務める
渡辺 雅子さん
中新田在住 68歳

「母の夢」追って伝えて25年

 ○…1989年から25年間続けてきた「無料着付け講習会」が100回目を迎える。確かな技術と「来れるときにふらっと寄ってくれればいい」という気楽さが年々まちに浸透していった。「今では講習会の度に遊びにくる人もいるのよ」と嬉しそうに笑う。

 ○…「雛祭りなど、イベントの時には母がいつも赤い着物を着せてくれたの」。そんな思い出話からストーリーが始まった。若い頃は新聞社、出版社、ホテル、空港などに務め、キャリアウーマン生活を送った。ホテル勤めをしていた頃は、都心の自宅から着物のまま電車通勤するなど、着物好きは相変わらずだった。そんな姿を見て母が一言。「協力するから、着物を教える仕事をしたら?」その言葉を受け、35歳のときに着付け教室に入学した。

 ○…まだ幼い子どもを連れて、3つの着付け教室で様々な流派を学んだ。忙しい日々だったが「母のおかげでやらせてもらえてるんだから」という気持ちが突き動かした。次第に実力が評価されるようになり、ベルギーで行われた日本の文化を紹介する祭典「ユーロパリア日本」の和装スタイリストに抜擢された。「皇太子殿下もいらっしゃった大きなファッションショー。振袖でも5分ぐらいで着付けして送り出すの。大変だったわぁ」と懐かしむ。

 ○…「講習会のときは、よく母が隅っこのほうに座って、私が着せるのをニコニコ笑って見ていた。きっとこれは母の夢だったんじゃないかな」。亡くなって23年が経っても、一番近くで応援してくれた母を思うと胸が震える。「雅子の『雅』を取って母が名づけた『雅会』。大切にしていかなきゃ」。涙を拭った。

 ○…来てくれた人との出会いを大切にし、学びたいという熱意のある人には出し惜しみせず教えるという。「座右の銘は『一期一会』。その思いがあるから続いてきたのかもね」。100回という節目を前に、過去の出来事に思いを馳せた。

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