家庭系ごみの減量化を進める座間市が、デジタル技術を活用した「DXごみ収集」で、剪定枝類の資源化を急拡大させている。今年4-6月期の収集量はすでに前年度1年分に迫る勢いで、年度末までの収集量を対前年度比270%増の830トンを見込んでいる。
座間市では2013年度から剪定枝類の資源化がスタートした。過去10年の収集量は年間200トン前後で推移しているが20年度は302トンに増えた。
剪定枝類は予約制で戸別収集しているが、可燃ごみとして集積所に出されたまま「ごみ」となるケースも少なくない。その量は少なくても年間600トンに及ぶとみられ、可燃ごみ減量の足かせとなっている。
増加する剪定枝類の資源化徹底は清掃職員の発案が後押しした。従来の予約収集を徹底してもらうために、可燃ごみの収集日に出された剪定枝類の袋を回収せずに残したところ市民からの問い合わせが急増。その対応に追われるようになった。そこで目を付けたのがタブレット端末だった。
循環型経済
座間市は2019年6月、小田急電鉄との間で「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)」の連携協定を結び、デジタル技術を活用したごみ収集の実証実験に取り組んでいる。GPS付きタブレット端末を収集車に搭載し、小田急が無償提供する米国製のソフトを活用している。
これまでは手書きで集計していた車両ごとの搬入量をリアルタイムで一元管理し、交通状況による収集作業の遅れや、余裕時間の把握で柔軟な配車ができるようになり、トラブルや急な市民要望にも素早く対応できるようになった。
収集にあたる清掃職員の男性は「アナログよりも格段に効率的」とデジタル化を歓迎するが、一方で「負担が増した」と受け止める職員もいる。
局面の打開
このソフトを活用して、可燃ごみの収集日に出された剪定枝類をそのまま集積所に残し、清掃職員が位置情報を端末に入力。その情報をもとに他の収集車が「遊撃隊」となり残された剪定枝類を収集したところ、従来の配車体制のなかで当日の収集が可能になった。
さらに市内に1100カ所ある集積所のうち500カ所で、剪定枝や草木類が捨てられている実態もわかった。
収集した剪定枝類は清掃職員が一つずつ袋を開け、混入している可燃物を除去してから市内の工場に搬入し、バイオマス燃料に加工される。
今年4-6月期の3か月間の収集量は20年度1年間の収集量に迫る296トンに達し、不純物を除去した結果、搬入先の事業者に支払う処理費の単価が2割下がった。一方で資源化に伴う処理費は増加することになり新たな課題にも直面することになる。
座間市資源対策課の依田玄基課長は「高座クリーンセンターへの搬入量を減らすことは構成3市共通の課題。今年度は『市民1人1日おにぎり1個分の減量』を合言葉に、資源化による減量を成し遂げたい」と話す。
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