10月12日に開所したフリースクール「プレジール」の所長を務める 新井 啓司さん 海老名市在勤 69歳
こころのタネ育て
○…開所まもないフリースクールの活動室に、子どもたちと創る未来を描く。一緒に遊んで汗をかき、勉強では問題を解けた喜びを共有したり「子どもたちから、たくさんのことを教われることが楽しみ」と表情がやわらぐ。不登校により、不安に揺れる子どもの心情を思えば「自己肯定感を取り戻すことが大切」とし、フリースクールに求められる役割は「ホッとできる居場所づくり」と語る。
○…愛川町半原出身。厚木市内の小学校教員として5校で教壇に立ち、妻田小と三田小で校長を歴任した。30年以上の教員生活で大切にしたのは心の成長。「自分も他人も大事にしよう」と言い続け、自尊心や認め合う心のタネを子どもたちの意識に植え付けた。定年後は「教育改革に取り組みたい」と思いを強めて厚木市議選に立候補を決意。2015年に初当選し、2期務めた。
○…フリースクールを運営する県指定NPO法人グランメールとの関わりは9年前から。心身に発達の遅れがある子どもとその保護者を支援する取り組みに共感し、「経験が役立つなら」と参加を決めた。じっとしていられない性格で、休日は自宅のある厚木市内で立ち上げた地域ボランティア団体の活動にも参加。一人暮らしの高齢者宅を回って、草むしりや犬の散歩などを買って出る。妻と娘の3人暮らし。息子は結婚し「初孫はいつだろう」と笑う。
○…不登校の子どもが10年連続で増加する一方で、「何とかしたい」と思っていても、教育現場は多岐にわたる業務や人員不足などで「子どもと向き合う時間の確保が難しい状況にある」と憂う。今後の活動には、学校との相互理解と連携強化は不可欠とし、「地域全体で子どもを育てる環境を整えたい」と語る。
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