昨年、台風19号とともに列島に甚大な被害を及ぼした台風15号の影響で鉄柱が倒壊し、近隣の住宅に被害を及ぼしてしまった千葉県のゴルフ場の一件に端を発して話題になった「損害保険」。今回は、市内で総合保険代理店を営む(株)アトムのファイナンシャルプランナー・加美公聴さんに災害に備えて確認・知っておいたほうが良い「保険」の話を聞いた。
まず近年の傾向として、日常生活を送る中で今まで問題にならなかったこと、問題にしなかったことが問題になるケースが増えているという。そうした背景もあり、法律は変わらないけれど、問題が多様化・複雑化し、それに対応する保険も多様化・複雑化。「消費者にとってはわかりにくくなっているんですよね」と加美さんは話す。
そこでまず確認しておくべきなのが「火災保険」。持ち家の人はローンと一緒に、賃貸の人は不動産屋さんが用意したパッケージのまま、「とりあえずそれで」と精査せずに決めたまま放置してしまっていることが多いという。その中で特に注意が必要なのが、20〜30年前にマイホームを建てたという人。長期ローンと一緒に同じ期間の火災保険に加入すると、保険料のトータル額が大きくなるため、水災をカバーしていないものや水災補償を外してしまっているケースがある。当時は、今ほど台風による水災が多くなかったため、そうすることで保険料を抑えようとする人が多かったという。また、免責額や家財補償についても確認しておくことも必要。「被災して家屋の修理に8万円程かかったけど、免責額が10万円で、保険が使えなかった」「保険料を抑えるために家財補償を外していた」というケースはよくある。ちなみに、地震による火災は火災保険では補償されないことが多い。
そして、築年数を重ねると経年劣化する部分が当然出てくる。例えば天災で自宅の屋根が損傷し、隣の家屋を損傷させてしまっても基本的には賠償責任を負わなくて良いことになっているが、「メンテナンスしていたのか」という維持管理責任や所有者責任は問われるので注意。ただ裏を返せば、「自分の身・物は自分で守るしかない」ということ。そのためには、最低限の知識を身に付けたり、現状の保険を確認し不明な点はあぶり出し、担当のファイナンシャルプランナーに伝えることで「説明してほしい」姿勢を見せることも大切だという。「火災保険の値上がりや地震保険の登場など、自然災害の増加によって保険も様変わりしています。火災保険の確認・見直しは時間がかかりますが、一度ご自身で抱え込まずにとにかく聞いてみましょう」
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