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厚木・愛川・清川 人物風土記

公開日:2013.05.10

アメリカで英訳・コミック版『数学ガール』を5月中に出版する
トニー ゴンザレスさん
緑ヶ丘在住 45歳

「蝶々のような人生だね」



 ○…数学に熱中する高校生の青春を描く『数学ガール』(著・結城浩)を英語に翻訳しアメリカで出版している。本格的な数式を扱う同著は人気を得て4千部売れた。5月中にはコミック版の同著(作画・日坂水柯)を翻訳、出版予定だ。



 ○…日々の仕事は緑ヶ丘の自宅で行っている。3人で立ち上げた現在の会社。専門は化学や生物学、医学などの論文翻訳だが小説も扱う。同社では『数学ガール』のほかに、太平洋戦争を題材にした『絶海密室』(著・大野芳)や東日本大震災を扱った『黒い魎』(著・岡崎大五)を翻訳している。「『翻訳してくれてありがとう』という言葉が励みになる」と話す。



 ○…生まれはノースカロライナ州。読書好きだった少年時代。サイエンス・フィクションにのめりこみ、未来へ想いを馳せた。ジョージア州立大学では興味のあったコンピュータ情報システムを学ぶ。インターネット普及時にはシリコンバレーの会社でウェブサイトを構築。大学院で物理学や数学教育を学んだことも。好きだったSFの世界を追いかけ続けた。「興味の向くまま、蝶々のような人生だね」と振り返る。



 ○…初めて日本に来たのは19歳。「英語圏じゃない所に行ってみたい」という一心で、友人だった日本の留学生を頼りにやってきた。滞在した1年半は語学学校に通い日本語を覚えた。驚いたのは日本人の丁寧さ。「どんな店に入っても丁寧な挨拶があった。お客さんを大切にする様子に驚いた」。そのときの感動は「将来日本に住みたい」という気持ちを決定的にした。



 ○…昨年7月、アメリカを発ち、3人の子どもと共に奥さんの故郷でもある厚木に住み始めた。地域に溶け込もうと、運動会などの自治会活動に、積極的に参加している。「厚木は豊かな自然もあるし、中心地に行けばおいしいレストランもある。この素敵な場所でたくさん友だちを作っていきたいですね」

 

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