厚木・愛川・清川 人物風土記
公開日:2014.11.14
あつぎ国際剣道祭の事務局長として来日選手団との渉外などを担当した
小山 篤さん
上荻野在住 57歳
教えることは学ぶこと
○…なんだか市役所の取材に行くとよくいる人―。と失礼ながら勝手に思っていたが、こんな顔もあったとは。厚木剣道連盟の理事長。連盟創立60周年記念の「あつぎ国際剣道祭」では事務局長として2年前から進捗状況を管理。11月1日からの3日間は、ヨーロッパ、アジアや南米など13の国と地域から来た69人の剣士をお世話した。荻野運動公園の体育館に世界の言葉が飛び交った慌ただしい日々から数日。「ホッとしたけど、急に淋しくなっちゃうよね」とポツリ。
○…市役所の業務で韓国・軍浦市との友好都市締結に携わったこともあり、2009年から両市の剣道団体による相互訪問が開始。創立60周年の節目に「他国も呼んだら面白い行事になるだろう」と、国際剣道祭が企画された。自身は韓国との交渉を担当した。国際交流で学んだことは「言葉が分からないと、みんな自然と笑顔になる」
○…剣道を始めたのは荻野中から。近所の先輩がやっていたこともあり、剣道部に入部。以来約40年。地元の荻野剣親会では子どもたちを指導する。指導者として胸に刻んでいるのは、大学時代の師範に言われた「人に教えるというのは学ぶこと」。「ただ物事を知っているだけでは人に教えられない。実際にやってみせたり、勉強しなければいけない」と。段位は最高位のひとつ前、教士7段。5月に武道の聖地・武徳殿(京都市)で開かれる、全日本剣道演武大会への出場が毎年の楽しみのひとつ。
○…市役所生活33年の中では、かながわ・ゆめ国体やアジア太平洋ハーモニカ大会、国際大道芸の立上げなどを経験。現在は市教育委員会の社会教育部次長。妻と母との3人暮らしで、自宅近くの荻野川散策が気分転換法だ。連盟のキャッチフレーズといえば「大きな夢を竹刀にのせて!」だが、自身の夢は「小さな道場でも開きてぇなぁ」。思わず漏れたあつぎ言葉が印象的だった。
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