厚木・愛川・清川 人物風土記
公開日:2016.08.12
日本三躰子合地蔵尊保存会の会長を務める
毛利 和夫さん
下荻野在住 77歳
歴史への飽くなき探求心
○…奈良時代に仏教を広めた行基がひとつの木から彫り出した3体の地蔵の一つとされ、古来より「安産・子育て・除病延命」の地蔵として信仰を集める下荻野の子合地蔵尊。地蔵堂の管理を目的に保存会が発足して28年。昨年4月からその代表を務める。毎年8月16日のご開帳式典に合わせ開かれるのが、地元自治会による祭礼。「もともと小さい時から遊んでいた場所。お地蔵さんがあるから自然と人が集まってくる。三田小で保存会が歴史を教える機会をもらっているので、子どもも多く来てくれる」と話す。ご開帳以外は屋根の修理など地蔵堂の維持管理を行っている。
○…のちに西国の大名となった毛利氏ゆかりの、毛利姓が多い同地区。自分のルーツを探したくて、定年後から地域の歴史を調べるようになった。地蔵尊の祭礼ひとつ取っても、かつて行われていた「下荻野子合義太夫」の話から、地蔵尊を収める厨子の分析結果まで何でもご存じ。周囲を巻き込み、今年4月には住民有志による「荻野の歴史を学ぶ会」を発足。荻野運動公園会議室で行われた第1回講演会は、関心を集めほぼ満席。伊勢原の雨岳文庫や、東京にある荻野山中藩主の墓を訪れたりもした。
○…現在はJA全農に統合された、経済連の出身。東は三浦から西は小田原まで、県内中の農家の生産向上に携わってきた。定年間際のころ、設立に関わったのが及川のグリーンセンター。オープン後は地域への恩返しの想いをこめて、店舗教育を担当した。まだJA直営店が珍しかった頃。来店客を直接目当ての売り場へ連れて行ったりと、接客のイロハをスタッフに教えた。当時学んだ園芸の技術は、自宅の庭づくりに活かされている。
○…2008年からの6年間は、荻野公民館長も務めた。公民館移転を記念して開いたゴルフ大会は、今でも住民の親睦大会に看板を変えて継続中。もちろん今年も実行委員長だ。
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