超高齢化社会の中で孤立化をしない、させないために、住民ができることとは―。荻野地域包括支援センターが主催となり、住民が街の今後を話し合う「鳶尾団地タウンミーティング」が11月23日からスタートした。
地域包括支援センターは主に介護・福祉・健康・医療の分野で地域の高齢者を支援する相談窓口。ケアマネージャー、保健師、社会福祉士が在籍し、市内には地区ごとに10拠点ある。
荻野地域包括支援センターがあるのはUR都市機構が管理する鳶尾団地の中。同団地は住民の減少に伴い空き家の多い3街区北側の7棟を対象に、2018年をめどに他街区への住民移転および建物の解体・整備を予定している。
住民の高齢化も進み、同センターによれば団地がある鳶尾3丁目の昨年4月時点の高齢化率は41・8%。独居者の死後時間が経ってから発見される孤立死や緊急搬送も発生している。
こうした状況の中、暮らしやすい団地を住民みんなで考えてもらおうと、今回の会合が実現した。同センター管理者の畑武子さんは「住民が最期まで安心して暮らせる、地域包括ケア社会の実現について考える目的で実施しました。市内でこうしたタウンミーティングを開くのは初めてではないでしょうか」と話す。
団地内のユーコープ鳶尾店で開かれた23日の初回は、団地の住民を中心に地域の自治会長や老人会会長など16人が参加。UR都市機構の職員や、市福祉総務課の地域包括ケア推進担当らも出席した。
この日はURの職員が鳶尾団地の今後の集約事業について説明。その後、地域包括ケア社会を実現するために「私たちの住む街はどんな街になれば良いか」「そのために私たちにできること」をテーマに、参加者がアイデアを出しあった。
参加者からは「地域の人たちが気軽に集まれる場を作る」「コミュニティバスが欲しい」「一人暮らしの人の見守りサービスが欲しい」といった意見があがった。同様のタウンミーティングは12月11日までに全3回開催される。畑さんは「『できること』をアンケートに書いてくれた方には実現に向けてアプローチしたい。鳶尾団地以外の荻野地区でも同様の話し合いを行っていきたい」と話した。
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