切り花や鉢物など、花と緑を扱う南関東花き園芸卸売市場(市内長沼、通称・南関)で、縁起のよい正月花を商うせりが行われ、新年を迎える準備が進んでいる。12月10日に「松大市」、17日には「千両大市」が開かれた。
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17日の千両大市に並んだのは、一大産地の茨城県神栖市波崎や千葉県館山市、静岡県島田市の千両やキミノセンリョウ。午前7時のせり開始を前に、せり人の古江英夫部長が「天候不順で心配したが、実の付きはいい」など作柄状況を説明。約100人の買参人は正月飾りや仏花などさまざまな用途を想定し、真剣な表情でせわしく指を動かして、せり人に向かい価格を示した。午前8時前には2100ケース20万本の千両に、すべて買い手がついた。
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南関東花き園芸卸売市場は、平塚生花市場と厚木中央生花市場が合併し、1974(昭和49)年3月に誕生。切り花は木・日を除く週5日、鉢物は火・土の週2日、せりが行われる。せりは、買参人が最初につけた価格から、せり人がもっとも高い金額を瞬時に見極めて「鳴き」、買参人がせり落とす「せり上げ方式」で行われる。取り扱う花は、厚木のカーネーションや寒川のスイートピーなど神奈川県産のものから、沖縄の菊や北海道のスターチス、さらにはアフリカのバラまで、幅広い産地から集まる。
4代目の小野吉一社長(46)は、幼少期から父・和雄会長(71)の背中を見て育った。小学校の頃から夏休み中はせりの手伝いが当たり前、「家業は継ぐものだと、自然に思っていた」。大学卒業後、2年間京都の生花市場で修業し25歳で南関に入社、3年ほどでせり人としてデビュー。買参人の識別番号や花の好みは経験で覚えた。入社以来、せりの準備のための午前2〜5時の出社を、20年以上続けている。現在せり人を務めるのは年に10回ほどだが、買参人との丁々発止のやり取りを「せりは一種のパフォーマンス。盛り上げることも大事」と語る。
小野社長は「例えば大市で並んだ千両は、市場に出るまでに最低でも3〜4年が必要。生産者の生活がかかっているから、取引は真剣。墓参りや正月の床の間飾りなど、先祖をおもう機会や家族が集まる一つの儀式に、花が近くにあってほしい」と話す。
南関では12月29日(金)の切り花の止め市をもって、今年の仕事が終わる。
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