厚木・愛川・清川 人物風土記
公開日:2019.05.17
この4月に、学校法人ソニー学園湘北短期大学の第9代学長に就任した
高野瀬 一晃(かずあき)さん
65歳
「ネアカ」で人を育てる
○…「社会でほんとうに役立つ人材を育てる」。これまでとは畑違いだが、「人材育成」は熟知している。「ネアカでがんばろう」。ソニー(株)の創業者の1人、盛田昭夫氏の言葉を胸に、明るく、楽しむことを根底に据え、責務を全うする気概だ。
○…大学卒業後、部品・部材を購入する資材調達ビジネスで国内外を飛び回る。「初の海外赴任でアタッシュケースを持って香港島から九龍に向かうフェリーに乗った時には頭の中でブルース・リーのテーマ曲が流れたよ」と笑う。ソニーに入社したのは、1990年。朝刊の求人情報を偶然夫人が見つけたのがきっかけ。経験を買われ、ソニーでも資材調達を任せられた。当時は開発者ファーストの時代。様々な製品を世に送り出していたソニーでは各製品の開発・設計者がそれぞれに部品・部材を選定し、それを調達組織が購入していた。そうした風土を改革し、設計と資材調達が一体でモノづくりとコスト最適化に取り組むことを提唱。資材調達を担う社員のプロ意識を醸成するため「ソニー調達人材育成道場」を創設し、ソニーを支える「人」を育てた。
○…毎日のスタートは、学長室に到着と同時に、備え付けたオーディオのスイッチを入れること。モーツァルトを聴きながら、1日のスタートを切る。自身は合唱団に所属し、バスパートを担当。キャリアは20年以上。海外の大聖堂でモーツァルトのレクイエムを披露した経験も持つ。
○…「リーダーシップの育成に力を入れたい。ソニーのトップも家庭の中でもその役割は変わらないはず」。「1つの目標に向かって、常に前向きに新しいことを考え、“世の中で役に立つ”人」を育てる。この新しい使命を果たすべく、自身も明るく、フットワーク軽やかに、取り組んでいく。
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