厚木・愛川・清川 人物風土記
公開日：2023.06.30
厚木市シルバー人材センターの理事長に就任した
三橋 正保さん
厚木市七沢在住 68歳
積み重ねのいぶし銀
○…長年勤めあげた職場を離れ、新たな人生の一歩を踏み出す時の、なんでもできるという高揚感と、さて何をしようという不安感。自身も同じ立場だったからこそ、分かることも多い。就任から約１カ月、会員らがより活躍できる場作りに奔走中。「好きなことにいきいきと取り組む姿は、いくつになっても素敵。それがさらに誰かのためになるのなら、なおさら。だから、全力で応援したい」と力を込める。
○…祖父と母から学んだ”人の痛みを知れ”という教えを胸に、約40年に渡り市役所で地域のための仕事に従事。広報時代は、現職場のシルバー人材センター落成式の撮影を担当したこともあり感慨深い。定年間際まで属した福祉部では地域包括ケア業務などに携わる中で、昨今の取り上げられる高齢化問題とは異なる一面を知った。経験を積んだ意欲ある人材は地域の宝として、自己実現の場を提供する福祉事業の大切さを実感した。
○…「子どもの頃は、年寄りは厳格で怖いものでした」と振り返りつつ「自分自身を鑑みて――時代は変わりましたね」とニヤリ。高齢者が自分らしく活躍するために必要なものとして、地域での場に加え、家族や周囲の支えをあげる。自分自身、これまでの暮らしは妻の支えがあってこそ。仕事の癒しは、妻と水入らずで季節の花々や食を楽しむ温泉旅だ。
○…幼い頃、生まれ育った七沢の発掘現場で偶然拾った「鳥頭に見える石」がその通りの土器片だったと分かり、歴史の虜になったエピソードも持つ。大学で取得した学芸員の資格を生かし、市社会教育部時代には古墳公園計画の立役者にもなった。「積み重ねから学ぶのは、歴史も人も一緒。重ねた時間が磨いて光る、いぶし銀なんて素敵ですね」と笑った。
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