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厚木・愛川・清川 人物風土記

公開日:2023.11.03

京都・西本願寺らが組織する宗派のカレンダーに採用された版画家
保田 温良さん
厚木市妻田東在住 80歳

「作品が縁をもたらす」

 ○…京都の浄土真宗本願寺派(西本願寺)ら真宗十派が組織した真宗教団連合の、来年のカレンダーの全月の挿絵に自身の版画作品が採用された。出版元の関係者の母親が福岡から来京した際、偶然販売されていた保田さんの手による絵はがきの画を見て感動。息子に紹介し、会社で吟味して掲載が決まった。「京都の本願寺と聞いて本当に驚き、また採用の経緯を伺って余計にうれしさがこみ上げてきました」と満面の笑み。

 ○…小学生の時、授業で年賀状用の木版画制作をしたのが面白くて楽しかった。以来、毎年年賀状用に版を作り版画で送るように。父親が転勤族で転校が多かったため、送りたい友人がどんどん増えていったのもワクワクに拍車をかけた。「描く・彫る・摺るという面倒な作業だが、それぞれに楽しみが宿り、喜びが見出せる」。

 ○…夫人と息子2人の4人暮らし。もう1人の息子も市内に暮らしており、孫との交流も普段の楽しみのひとつ。現在新作は休んでいるそうだが、それでも月千枚ほど摺り、絵はがきとして契約店舗を通して各地で販売している。版画教室も2カ所で開講し、生徒との交流も楽しんでいる。「家族もそれぞれ知人らに絵はがきを紹介してくれるなど応援してくれている」とはにかむ。

 ○…55歳で仕事を退職し、市のリーフレット「あつぎ100選るっきんぐ」を目にしたのをきっかけに、「地域に目を向けて歩いてみよう」と思い立ち版画で「厚木百景」を完成させた。もともと旅行も大好きで、「今はいろいろと見て回って季節の便りを実感し、それを作品に彫ってみたい」と新作のテーマを模索中。「版画は人との出会い、素敵なご縁ももたらしてくれた。やっていてよかった」

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