1月に厚木建築職組合の組合長に就任した 内藤 照永さん 厚木市飯山在住 58歳
助け合う ゆえに腕を磨く
○…どんな建物も、様々な職人が技術を結集しなければ、形にはできない。建築職組合は多彩な職人同士の情報交換や連携の要となり、時には安心して働くための保険加入促進など、福利厚生面で支える。340人の組織だが昨今は高齢化もあってやや減少傾向。助け合う組織であり続けるためにも、仲間を1人でも増やすことが目標だ。
○…20代の頃から大工として生き、休日に散歩していてもつい建設現場に目がいく。会う人からたまに「木の香りがしますね」。手の平や指は皮膚が厚そうだ。父の背中を見て鉋(かんな)を手にしたのは東名中学校の頃。実家に就職し、下積み時代はひたすらノミの刃を研ぎ続けた。「刃先が丸くなると使えない。丸っ刃といって、恥ずかしかった」。年月をかけて腕を磨き、猛勉強して一級建築士の資格も取った。
○…小さいころはプラモデル作りにのめりこんだ。好きなモノづくりが、何につながるかは分からない。組合の子ども向け木工教室では鉋がけを教える。大人でもなかなか引くのが難しいが、そっと力添えをしてやると、必ず「もう一回」と夢中になる。楽しいその瞬間が、何かの種まきになっている。参加した親子から感謝の手紙が来たり、大工の絵を描いてくれた子も忘れられない。
○…木材に墨をつけて刻む技よりも、今は図面通りに加工してくれる機械が主流になってきた。それは確かに便利ではあるが「これからの人は大変」と見る。教えられる人が減り、学んでも実践して腕を磨くチャンスは限られつつある。「仕事は正確で公正でなければ。もし間違いがあれば一発アウト。すべては最後には明らかになる世界です」。穏やかな笑顔のまま、自身に打ち込むようにつぶやいた。
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4月19日