愛川中原中学校の3年生と町内の園児が、校庭に落ちたどんぐり拾いで交流する授業がこのほど行われた。家庭科の授業で保育について学習する3年生に、実践的な学びの経験を積んでもらおうと開催したもので、町と中学校、町内各園の連携による初の試み。生徒らは、園児とのふれあいを通して幼児との関わり方について理解を深めた。
「こんにちはー!」――春日台幼稚園と保育所あいかわの園児31人が、11月25日に同校を訪問した。お目当ては、校庭に落ちたどんぐり。出迎えた3年1組の生徒は園児の手を引きながら、校庭に植えられたシイの木のどんぐりを一緒に拾い集めた。
同校は「どんぐり拾いができる学校」として町立保育園の「お散歩マップ」で紹介されており、町内の園児らが散歩の一環で来校するなどこれまでも交流を続けていた。
どんぐり拾いのために校庭を開放する同校の特色を、生徒の授業に生かせないかと考えたのは町子育て支援課の高橋誠課長。自身も同校の卒業生で、現在も地域学校協働活動推進員として学校に関わる縁もある。3年生の家庭科の時間に、園児との交流授業を行えないかと学校側と協議を続けてきた。
授業としては初の試みとなった今年は、3年生3クラスが11月の3日間で計4園の園児を受け入れた。生徒はどんぐり拾いだけでなく、班ごとに分かれてボウリングやだるまさんがころんだ、空気砲などの遊びを考案。園児の目線に合わせてしゃがみながら話したり、身振り手振りを交えながらゲームのルールを説明するなど、交流のひと時を楽しんだ。
参加した園児は「どんぐりがたくさん拾えて楽しかった」と満足そうに話し、3年生の山口鈴さんは「保育の仕事にも関心が持てて進路の幅が広がった」と振り返った。
家庭科教諭の内堀涼乃さんは「幼児の成長について学ぶ中で机上の空論で終わらせず、自分たちの考えを実体験の中で検証したり反省したりするのはとても重要な機会」と交流授業の意義を語る。中村慎輔校長も「教科書だけの学びではなく、体験から得られるものは多い。どんぐり拾いを授業にも取り入れることで、より地域に開かれた学校づくりに取り組めたら」と期待を寄せた。
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