第100代厚木警察署長に就任した 阿部 勇さん 厚木市在住 59歳
利他の心で地域をつなぐ
○…100代目という節目の署長職に就任したことに、大きな責任と喜びを感じている。管轄する厚木、愛川、清川の印象は「自然が豊かで人も温かい一方で、厚木には歓楽街もある。地域の方が安心して暮らせるよう、治安の維持に努めたい」。定年を前に最後の勤務地となる厚木署で、「警察人生の集大成として、悔いのないように全力を尽くしたい」と力強く語った。
○…「引っ込み思案な性格」だったが、刑事ドラマに憧れて警察官を志した。「結局刑事になることはなかったけれど」と笑うが、住民の相談係や広報など、地域に寄り添う警察官としてやりがいを培ってきた。交通部での勤務経験も持ち、前任は運転免許本部長として運転免許証とマイナンバーカードの一体化や手数料のキャッシュレス化など、時代の変化に対応した業務を担った。
○…400人を超える厚木署員の指揮を執るにあたり、着任時の訓示では「利他の心」の大切さを説いた。自分の利益よりも、相手を思いやる心を―。署員一人ひとりがそんな気概を持つことで、組織としての結束力が高まると信じている。春の交通安全運動の街頭活動では交通指導員の熱心な様子に感銘を受けたといい、「他にはないような力を感じた」と、地域とのつながりにも積極的に関わりたいという。
○…休日には地域をくまなく巡り、「川に鮎の稚魚が泳いでいたのを見つけた」と自然を楽しみながら、土地土地の実情を把握して歩く。単身赴任中の自炊は「なんでも作れますよ」とお手のもので、過去には上司直伝のだし巻き卵を部下に振る舞ったことも。署員や協力団体との円滑な関係づくりに取り組むべく、歴代署長がつないできた100代目のバトンをしっかりと握りしめる。
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