全日本ロードレース 決意が勝利たぐりよせた 太田和の長島さん(GP-MONOクラス)今期優勝
全国のサーキットを舞台に争われる「全日本ロードレース選手権」(GP─MONOクラス)に参戦中の太田和在住の長島哲太さん(19歳)が、今月27日からの最終戦(鈴鹿サーキット)を待たずにシリーズ優勝を決めた。今期5戦あるうち、3大会で優勝を果たす好調ぶり。来年はワンランク上のクラス(J─GP3)にステップアップする意向を固めており、近い将来に世界進出をめざす。
長島さんは今年の春に三浦臨海高校を卒業。今は引越しのアルバイトで転戦資金を稼ぎながら選手活動を続けている。
4歳からポケットバイクにまたがり、父親の政幸さんのサポートで全国各地のレースに出場。小学生クラスでは連戦連勝を誇り、その名を全国に響かせた。中学生になってからはミニバイク(排気量50cc)に乗り換え、レーサーとして着実に成長を続けた。
壁にぶちあったのは高校時代。入学と同時に現在のクラスに参戦したが、マシンを乗りこなすことができず、成績は振るわなかった。「結果が全て。勝たなければ性能に勝るマシン、選手を続けるための環境を手に入れることができない」と本人が語るように、厳しさと悔しさを存分に味わった。
レースの世界から去ることも頭の片隅によぎったが、政幸さんの「とことん納得するまでやってみろ!」の応援に背中を押され、「本気で挑む」ことを決意。甘えを絶とうと、家族からの資金的サポートも固辞し、レーサーとして独り立ち。自分を追い詰めることでモチベーションを高めた。
こうした思いと覚悟が、持っていた才能を呼び覚まし、好結果を呼び込んだ。「今は次のレースが待ち遠しくて仕方ない」と言えるほど、調子は上向き。だが、19歳という年齢は決して若くないのだという。世界を目指すのに持ち時間がないことを自覚している。「だから最終戦はダントツの走りでぶっちぎる。来年のクラスも今の勢いのまま制覇したい。目標は国内ではない、その先の世界なのだから─」と長島さん。展望を語る口調に自信を宿していた。
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