まちゼミ好評 お店の魅力でファン掴め 来店動機を高める工夫
商店街の商店主やスタッフらが講師となり、プロの技術を教える「まちゼミ」が今月1日から始まり、受講者の好評を得ている。横須賀商工会議所が支援する商店街活性化事業の一環で、第1回目の今回は市内23店舗が参加。店側は消費者との距離を縮め、新たなファンの獲得や来店者数アップにつながることを期待している。
消費者との「近さ」売りに
「まちゼミ」とは、2003年に愛知県岡崎市の商店街で始まった活性化事業で、正式名称を「得する街のゼミナール」と言う。従来のイベント型のセールとは違い、商店主が専門的な知識や技術を無料で教える。大型店には無い消費者との「近さ」を活かしながら、街の賑わいづくりにつなげる試みだ。現在、全国約30カ所で行われるなど広がりを見せている。
横須賀でもまちゼミを開催して商店街への集客に結び付けようと、今年に入り横須賀商工会議所が意欲のある商店主に参加を募った。中央や上町などを中心に23店舗が手を上げ、今回の初開催を迎えた。
実店舗ならではの企画
「平坂書房LIVIN店」(平成町)では、絵本の読み聞かせを実施した。近年の出版不況に加え、インターネット販売や電子書籍の普及により、店舗に足を運ばなくても本を購入できる時代。書店を取り巻く環境は厳しい中で、同社では店舗ならではの企画で新たな来店者を増やそうと、まちゼミに参加した。
今回、保護者向けに行った読み聞かせのアドバイスが好評で、同社ではこうしたイベントを継続したい考え。今後は小学生向けに、辞書の引き方を教える講座も考えているという。
犬のアクセサリー製作会を企画したのは、不動産会社の「スギヤマハウス(株)」(根岸町)。数年前から、飼い犬用の首輪やリードのネット販売(ファニーワン)を展開しており、今回初めて地域住民向けの製作会を実施した。これまで不動産相談会などを独自に行ってきた同社だが、愛犬家でもある杉山とも子代表は「市内全体の活性化を考えた時、(不動産とは)別の角度で人々の笑顔を増やしたいと考えました」と話す。
お気に入りのアクセサリーを作り上げた受講者は「初めて来た不動産屋で、最初は驚きました」と振り返るが、ゼミが始まるとすぐに愛犬の話で互いに意気投合できたという。杉山代表は「今回受講された方同士で新たなつながりができるような、人と人との仲介もこれから行っていきたい」と話している。
まちゼミを主催した横須賀商工会議所では、「講座内容や企画を総括し、ブラッシュアップさせたものを来年度も行いたい」と今後の展望を考えている。
3月もユニークな講座
「まちゼミ」は3月15日まで実施中(終了した講座あり)。ユニークな企画では、「湘南森モータース」(上町)が3月10日(日)・15日(金)の午前10時からと午後2時からの各日2回、バイクを長く使うコツを伝授する。自宅でできる小顔マッサージを行うのは「ナリスビューティーステーションDel,m」(若松町)。3月15日(金)の午前10時半からと午後1時半からの2回。詳細は「よこすかまちゼミ」のフェイスブックページを参照。申込は各店まで。
|
|
|
|
|
|