横須賀市は新年度から「ふるさと納税制度」の利用者(寄付者)に対して、記念品を贈る準備を進めている。全国の自治体の半数が地域の特産品などを送付している中で、市もこれに追随する。寄付者が使途を指定できる受け皿も追加。寄付額と件数の拡大に乗り出す。
「ふるさと納税」は2008年に国が制度化したもので、税収が伸び悩む地方自治体の救済が主な目的。住んでいる自治体以外への寄付を指し、2千円を超える部分については、市民税と所得税が一部控除される。自治体によっては、納税PRの一環として特産品などを提供しており、これが呼び水となって寄付者は全国で10万人を超えている(平成25年度実績)。
一方、横須賀市では25年度の実績で納税額は150万円。寄付者はわずか2人にとどまっており、全般的に低調気味。納税の推進策として、1万円以上の寄付に対して、よこすかポートマーケットで扱う地場産品(4千円分)を記念品として贈ることを考えている。同マーケットの運営する市の外郭団体シティサポートよこすかと協定を結び、商品調達などの仕組みを構築。今年6月1日から開始する。このほかに納税の動機づけとして、簡便に寄付できるクレジットカード納税や、使途の指定先に「猿島基金」「みどり基金」といった新たな受け皿も設ける。
三浦市では、記念品を設けた2012年度から納税件数が急増。制度開始から11年度まで平均で6件・86万円だったものが、今年度は約8千件、1億5千万円の利用があるという(3月18日現在)。全国的な知名度のある三崎まぐろやメロン、スイカに加えて、市内のホテル宿泊券やクルーズツアー招待など、豊富なバリエーションが人気を得ている格好だ。今年度は、市民も利用できる「市民版ふるさと納税制度」も導入している。
ただ、「ふるさと納税」をめぐっては、自治体間で熾烈な”贈り物競争”に陥っている現状があり、市議会では疑問視する声もある。上地克明議員は昨年の9月議会で「寄附というのは本来自発的な問題。行政主導はナンセンス」と発言。対して、吉田雄人市長は「ドッグレースのスタートラインに乗せられてしまっている。そうした以上は、逆に勝たなければいけない」と自身の見解を述べている。
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