横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2016.02.19
今年1月に発足した「ヨコスカ・ジャズ協会」で代表を務める
長坂 利広さん
東浦賀在住 50歳
横須賀ジャズ 遺産にしない
○…市民の記憶は薄れつつある。この街がかつて戦後ジャズをけん引していたことを。文化の発信拠点としてEMクラブが存在していたことを。掲げるのは「横須賀ジャズの復権」。ジャズを基点とした音楽イベントを通年で展開、商店街とも連携して野外ライブを開催する。懐古趣味だけでなく、新しい音楽風景も生み出していくという。理想は高い。けん引するのは、ミュージシャンでもなければ音楽関係者でもない、ひとりの愛聴家だ。
○…本業は司法書士。仕事の関係で11年前に横須賀にやってきた。学生時代から憧れを抱いていた「ジャズの街」だったが、その音色は聞こえてこない。中央駅前のジャズメンのモニュメントが寂しげに佇んでいるだけだった。全国各地ではジャズイベントが活況を呈しており、2日間で80万人の観衆を集めるものもある。まちおこしと結びつき、活性化の好事例となっているケースも少なくない。「横須賀にもジャズがある」。地域の衰退を嘆く人らにそれを伝えると賛同の輪が広がっていった。
○…「ジャズの再興を願う人、EMクラブを懐かしむ人。様々な思いが寄せられている」という。協会活動には、往年の名プレイヤーである原信夫氏の協力も取り付けた。同氏が所有する2000枚の楽譜を横須賀に寄贈をすることを申し出てくれており、ジャズの歴史と功績を展示・活用していくことを検討している。
○…今年1月に開かれた協会の発会式の挨拶でこう切り出した。「横須賀ジャズを遺産にしてはならない」。真の歴史を語れる人は高齢化しており、「今が事を動かす最後のチャンス」だと認識している。「EM CLUB LEGEND」と銘打ったライブには、一流ミュージシャンを招へい。往時の建物をスクリーンに映しながら、ゆかりの人物らに思い出を語ってもらう企画も用意した。古きをたずね、新しい価値を創造していく。
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