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横須賀・三浦 トップニュース社会

公開日:2016.04.08

野比地区かがみ田
谷戸田回復じっくりと
市の整備事業 初の田植えも

  • 荒廃田に手を入れ湿地化。今年は田植えが行われる

 多様な生物が生息できる里山的環境の保全に取り組む横須賀市は、野比地区のかがみ田谷戸の再生事業に取り組んでいる。平成26年度から計画を進めており、昨年度までにこれまで手つかずとなっていた荒廃田を湿地化。今年度には一部の場所で田植えを行うなどして復田を図る。水田のある谷戸の原風景を再現し、市民が自然に触れることのできる環境を整備する方向だ。

 かがみ田谷戸は市有地で、久里浜医療センターの山側に広がる総面積約1万9000平方メートルの山林。1970年代ごろまで水田として利用されていたが、市が土地を取得してゴミの最終処分場建設を計画。80年代後半に、地域住民や自然保護団体による反対運動で頓挫し、以降そのままの状態になっていた。

 第1期事業区域(平成26年度から29年度)として再生事業が行われているのは、道路側に近い約2600平方メートルの土地。水田や湿性草地を区分して、観察広場なども整備する。周辺には駐車場も設ける。

 今年度は事業参画している自然保護グループなどを中心に試行的に田植えが実施されるが、一部民有地を含んでいることなどを理由に市民開放の見通しは立っていない。

 この谷戸では、山から染み出る水が小川を形成しており、生活雑排水を含まない清流が海に向かって流れている。ゲンジとヘイケの2種のホタルを同時に観賞することができるなど水生生物にとって理想の環境が整う。市では水田整備も環境負荷をかけない手法で行い、地域の生態系を維持回復させるという。

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