横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2016.08.05
市民に音楽活動の場を提供する「よこすかアーティストドットコム」で代表を務める
小島 英治さん
馬堀海岸在住 51歳
表現者に演じる場所を
○…設立に携わったショッパーズのセンタープラザステージは、今や老若男女の市民アーティストが集う賑わいの場となった。「中高生たちはこの場所に立つのが夢だったなんて言ってくれるんですよ」と屈託ない笑みを浮かべる。25年前、市内にほとんどなかったオープンな場で演奏ができる環境。自身が仲間と共に作り上げてきたステージによって輝く音楽家の”同志”を見た時が「やってきて良かったと思える瞬間です」
○…小学5年の時に初めて”音楽”に出会った。友達の家へ遊びに行った際、レコードから流れてきたのはビートルズの「シーラブズユー」。曲の頭から軽快なリズムで始まるこのポップスは、家で流れるクラシックしか知らなかった少年の世界観を変えた。学校から帰るとラジオにかじりつき、段ボールで作ったドラムをたたき続けた。高校では部活に入らず一人スタジオ通い。工場でアルバイトをしながら「ミュージシャン」の夢を追いかけた。
○…だが、現実は甘くはなかった。青年時代は「売れないバンドマン」として関東各地を転々。日々の生活も苦しくなり、音楽から離れざるを得ない状況になったこともあった。そんな折、「市民が気軽に発信できる場所はないだろうか」と、三浦半島地域の音楽仲間らと模索。当時、汐入にオープンしたばかりのショッパーズに頭を下げ、ステージを確保した。それから25年、出演者数は延べ1万7千人。自らの出演だけでなく、今の活動母体になる団体を立ち上げ、音楽の橋渡しも担ってきた。
○…現在は「よこすかアーティストドットコム」のの運営に加え、自身の音楽会社の経営、全国各地でのバンド活動など多忙を極める。願っているのは「音楽の街・横須賀の更なる発展」。その一端にあるのが、こうした発信拠点。ショッパーズのステージが、ジャンルの垣根を越えた”横須賀音楽”の草の根を支えている自負がある。
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