横須賀市教育委員会は、10月12日の定例会で市立諏訪幼稚園を2021年度末に廃園とすることを決議した。(仮称)中央こども園の開園が22年4月と決まったことを受けたもの。今月初めには保護者らに説明会を実施しており、今後も定期的に意見交換を行っていくという。
時期も二転三転
市立幼稚園(諏訪・大楠)の廃園が市議会で議決されたのは2015年のこと。「公立園の存在意義が薄れている」「施設適正化計画での位置づけ」等の理由のほか、定員割れが続いていたことから、当初は廃止時期を17年度末としていた。しかし、諏訪幼稚園付近に市が整備する(仮称)中央こども園の開園と同園の廃園時期に接続性がない―という意見を受けて18年度末に延期。さらには、こども園の用地取得が難航し開園時期が遅れており、大楠では園開設に関する地元町内会との協定書の存在が明らかになったことから「(市立園の)廃園の方針は変わらないが、時期を改めて定める」と棚上げになっていた。
募集停止時期は未定
状況が変わったのは今年3月。(仮称)中央こども園の設置場所に関して、第1回市議会定例会において、新港町のよこすかポートマーケット駐車場用地に整備することが決まった。9月の市長方針決裁で開園時期が22年4月と決定したことを受け、これに合わせた形で市教育委員会は、「21年度末で廃園」とした。今月3日には保護者や近隣の町内会長らに対して決定の経緯等について説明。最終年度が年長の単一学年になる可能性があることを懸念する声もあり、園児募集の停止時期は現時点では未定としており、市教委では、今後も定期的な意見交換を行っていく方向を示した。
大楠幼稚園に関しては「来年度の新入園児が卒園するまでは廃園しない」としている。
幼小中連携のモデル
諏訪幼稚園は1953年、諏訪小学校旧校舎内に開園。幼小だけでなく、隣接する常葉中との連携や地域の高齢者との交流も積極的に行ってきた。20年前にも休園・廃園が取り沙汰され、地元の声を受けて存続となった経緯がある。
また、老朽化による同校建て替え(2012年)の際は、「就学前教育や幼小・中との連携などを先駆けて発信する役割がある」として運営を継続。その後、完工から数年で廃園方針が打ち出されたことに対して、批判も上がっていた。現在、小学校内にある園舎スペースは約380平方メートル。廃園後は、支援教育に関する活用を考えているという。
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