衣笠山公園再生のシンボル「木のオブジェ」を作り出した 早川 守さん 阿部倉在住 70歳
全ては人を愉しませる喜び
○…今では有名となった、衣笠山公園の木のオブジェ。樹木の枝や破材を可愛らしい動物たちに生まれ変わらせたアート作品だ。公園指定管理者の職員として衣笠山に着任してから約8年間でおよそ100種類もの作品たちに命を吹き込んできた。「気付けば喜んでくれる人が徐々に増えていって、それが嬉しくってね」と微笑む。
○…2010年の着任時に公園から受けた印象は哀愁。老朽化により伐採された木の切り株が散見され、「まるで木の墓場のよう」とポツリ。有効な再生手段を考えていた時、妻からの「オブジェを作ってみたら?」という一言が制作のきっかけとなった。「これだ!」と確信し、すぐに行動へ移した。切り株に目を付けたものや、膨らんだ木の幹を熊の鼻に見立てた作品など、いずれも遊び心とアイデアに満ちている。
○…佐野町生まれ。大学卒業後に葉山町役場に入庁。仕事の中で印象的だったのは、しおさい公園立ち上げの担当者になったことだという。敷地の整備や植栽、案内看板のデザインなどゼロから始めるモノづくりの楽しみに惹かれていった。そこでの経験が衣笠山公園でのオブジェ作りにも一役買った。「オブジェにこだわらず、これからの人も何か楽しんで取り組んだらもっと面白くなるんじゃないかな」と話す。
○…公園管理者を“卒業”した今、自身がほぼ毎日更新するツイッター『よこすか四季折々』が日課に。掲載写真は植物に留まらず、史跡や風景など三浦半島をフィールドとして多岐に渡る。興味がわいた事・場所に自ら日々足を運ぶ。「『今朝の投稿見たよ』『あの花きれいだね』なんて周りから反応をもらえると嬉しくって」。人を愉しませ、自分も嬉しくなる―そんな幸せな生き方を教えてくれた。
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