神奈川県内に拠点を持つ企業等で女性が開発に貢献したモノ・サービスの中から、優れた商品を県が認定する「なでしこブランド」。今年度の選定で、マンションやビルの大規模修繕を手掛ける株式会社富士防(森崎)の「なでしこ現場コンシェルジュ」が認定を受けた。
県の「なでしこブランド」認定
同社では、数年前から工事や作業の現場で、女性目線のサービスに取り組んでいる。
修繕工事が行われる日中は女性や子どもの在宅が多いが、作業をするのは男性の職人という業界で、足場周辺や工事事務所の清掃、居住者のプライバシーなどの気配りができているか―といった女性社員の声から一昨年、「現場環境パトロール」が誕生。昨年「なでしこブランド」に認定された。これに続くのが「現場コンシェルジュ」だ。
大規模マンションでは修繕工事に数カ月かかり、現場事務所を設置することが多く、ここに常駐するのが女性の「コンシェルジュ」の役割。工事に関する知識を持ち、住民からの問い合わせなどに対応する。女性社員からの「居住者にもっと寄り添えないか」との提案から生まれたもので、「現場でどう説明すれば伝わるのか、居住者目線で仕事を考えるようになった」と萩原綾香さん。大澤友梨さんは「女性が常駐しているので相談しやすく安心、と声を掛けられた」という。
コンシェルジュになるには秘書検定2級以上の取得などが条件。洗濯物干し情報や網戸の取り外し相談、子どもを対象に工事周辺の注意点を説明する場を設けるなど、きめ細かい対応で「現場事務所のイメージが変わったと言われた」と西尾美里さん。石橋都さんは「ここでの仕事がスキルアップにつながっている」、兵藤愛さんは「常駐することで仕事の視野も広がった」と話す。同社では経産省による「おもてなし規格認証」も取得。現場対応の質向上に力を入れている。
同社の女性社員の割合は全社員160人中47人と同業他社の中でも高い割合。事務統括本部担当者は「女性が積極的に現場に関わり、気付きをフィードバックしてくれている。この目線を今後も活かしてほしい」と期待を示した。
2月1日(土)には、横浜市内で県による認定式と事業PRが行われる。
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