現代美術作家で熱海市まちおこしのキーマンとして活動する 戸井田 雄さん 東逸見町出身 38歳
アートで多様な価値創出
○…横須賀から西へ約80Km。湯気が立ち上る風光明媚な温泉地、熱海がある。デザイン会社「混流温泉」代表として、イラストレーターである妻とともに、アートイベントや商業施設ディスプレイを手掛け、昭和風情を色濃く残す街に新風を吹き込んでいる。現地では”熱海再生の立役者”とも呼ばれ、「アーティストが点在することで、面白い景色を広げたい」と息を弾ませる。
○…東逸見町生まれ。物心ついた頃から絵を描くのが好きだった。モノづくりへの飽くなき探求心を携え、横須賀高校から武蔵野美術大学に進学。建築や環境学を学んだ。大学院修了後、教育ベンチャー企業で産学連携企画を担当した後、美術作家として活動に専念。時間や場所をテーマにした空間芸術を主軸に「刻まれた記憶の全てが愛おしい」と空き家に残された傷跡を蓄光塗料で表現した。愛知トリエンナーレなどにも出展。活動の幅を広げていった。
○…作品制作の依頼は国や自治体からの地域活性化を目的としたものが多かった。「ただ展覧会は一時的で、ずっと地域にアートが残る訳ではない。それなら自分から歩み寄ろう」。数多ある土地に足を踏み入れ、海と山が共存する故郷の横須賀と似た熱海に惹かれて移住。一昨年、割箸屋を改装した「ナギサウラ」をオープンさせ、アーティストを受け入れる環境づくりに汗を流す。
○…古くから築き上げられた文化を今までにない動きにシフトするのにはさまざまな評に晒されることもある。そんな時はビーチや温泉でひと休み。今では街の誇りと喜びを分かち合う仲間もできた。「コンパクトながら人も歴史もディープな熱海で、アートを通じて多様な価値観を受け入れる場を創出して、全国に波及させたい」
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