戻る

横須賀・三浦 トップニュース教育

公開日:2023.04.21

横須賀工業高建設科
建設業界が実習をサポート
年間プログラムで人材育成

  • 授業初回は市立総合医療センター(神明町)の建設現場を見学

 神奈川県立横須賀工業高校建設科は4月から、横須賀建設業協会・県建設業協会横須賀支部と連携した現場実習の年間プログラムを始めている。同科の2年生39人が参加しており、生徒の体験機会を増やすだけでなく、地元の事業者団体との協働・連携で建設産業への就労支援、人材確保に繋げていく。

 神奈川県教育委員会と県建設業協会は、2020年9月に建設分野の教育や人材育成に関する協定を締結した。これに関連して、横須賀・三浦地域の建設団体からの要望もあり、県教委は昨年4月、県立横須賀工業高校に建設科を新設。背景には、同業界で高齢化などによる人手不足、人材確保や若手の育成が急務となっていることにある。同科では卒業後に建設技術技能者として活躍できるよう実践的な教育を目指しており、業界団体との連携により年間を通した実習プログラムが実現した。

実践からの学び

 同科1期生の2年生は概ね月2回、1日6校時の実習を行う。年間120校時で外部の施工現場の見学、建設業協会所属企業や市役所でのインターンシップのほか、測量、図面作成、アスファルト舗装などを学ぶ。最終的には、校内実習として同校の中庭に花壇を施工する計画で、実践を通して技術を身につけていく。

 授業を担当する(一社)横須賀建設業協会は横須賀市・三浦市・逗子市・葉山町に本社がある土木・建築請負業者42社で構成。同事業は技術者の派遣による学校での座学と企業での実習を並行する「デュアルシステム実習」と呼ばれており、県内でのこうした取り組みは初めてだという。

 初日の4月12日は、建設業の仕事に触れる目的で、建築中の市立総合医療センター(神明町)の現場を見学した。座学では、生徒が企業の担当者に「建設業を選んだ理由」「仕事の醍醐味や魅力」を質問。「自分が手掛けたものを人が利用して役に立つ。命に直結する、命を守る仕事でもある」との言葉に、生徒たちは真剣な眼差しで聞き入っていた。

 1回目の授業を終え、同校の阿部脩悟さんは「現場見学では、工事に多くの会社が関わっていることを知れた。実際に働いている人の声を聞き、建設業のイメージをもっと深めたい」と話し、原田颯さんは「建てるという仕事に対して、視野を広げる機会になる。今後の授業が楽しみ」と感想を述べた。同協会事務局の櫻井敬二さんは「学校と事業者の協働で一緒に進めていくことに意義がある。生徒には、実践を通して土木や建築の仕事の醍醐味に触れてほしい」とプログラムに期待を示した。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

横須賀・三浦 トップニュースの新着記事

横須賀・三浦 トップニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS