プレイバックシアターの手法を使ったいじめ防止の出前授業を行っている 佐藤 久美子さん 馬堀海岸出身 58歳
誰しもが自分を語りたい
○…決められたテーマに沿って観客が思い思いの体験を語り、その言葉に耳を傾けた演者が感じるままに即興劇で再現を試みる。介護に子育て、不登校、恋愛、人権問題と人間の営みすべてが題材になる。台本はない。「観る人、演じる人が一緒になって舞台をつくりだしていく」。作品は一時的かつ流動的だが、通底しているのは人と人の通じ合いや感情の交換。プレイバックシアターの表現手法に魅せられ30年近く、劇団員として活動を続けている。
○…20代の9年間、小学校教諭として過ごした。経験の乏しさから子どもと向き合うことに不安を感じるようになり、足りないスキルを補おうと校外に学びの機会を求めた。心理学的なアプローチを研究する中で出会ったのがプレイバックシアター。「モヤモヤした気持ちを吐き出すことで心の浄化を得られる」この手法に可能性を感じた。劇団の活動に傾倒して教育現場を離れたが、いじめ防止に役立つことを確信し、全国の学校を回り始めた。20年近い実績があり、コロナ以前は年間40校を訪れていた。
○…人は誰しも自分を語りたいものだという。「聴く側の共感を引き出せれば、苦しみが浄化されるような気持ちになれる」。観る人も目の当たりにしている物語が自分の経験であるかのように思えて感動できるという。プレイバックシアターの真骨頂。請われれば出向き、演劇の枠を超えた世界を届ける。
○…自分自身も赤裸々に語る。先ごろ50歳からの結婚をテーマにした電子書籍を上梓。上手くいかない恋愛を繰り返してきた経験、ようやく掴んだ幸せをSNSで発信していたところ共感の輪が広がり、思いがけないオファーが舞い込んだ。心の中のブロック解除を提案している。
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