任期満了に伴う葉山町長選が15日、投開票され、新人で無所属の山梨崇仁氏(34)が前町長の森英二氏(72・無)と元町議会副議長の伊東圭介氏(44・無)を破り、初当選を果たした。本紙では選挙後山梨氏に単独インタビューを行い、選挙戦の振り返りや町長としての今後の抱負を聞いた。(聞き手/逗子葉山編集室 佐藤弦也)【1月19日起稿】
――選挙を振り返って今の気持ちをお聞かせ下さい。
「葉山の可能性がひとつの形として現れた選挙だったと思います。『葉山の町を変えてほしい』『前に進めてほしい』という町民の皆さんの想いと、私自身が考える葉山町の政治のあるべき姿が重なった結果だと捉えています」
――開票結果についてはどう受け取っていますか。
「結果については町民の皆さんそれぞれのご判断なので私の口から言うべきではありません。ただ、想いや方向性が違ったとしてもこれからは3万3千人皆さんが葉山町を作るメンバー。これから皆さんと一緒に議論をしっかりし、共に町を作っていく覚悟を心新たにしています」
――今町が抱えていると考える主な課題についてお話し下さい。
「課題以前に役場の職員の方々のモチベーションが低いこと、仕事に対する意識がばらばらであること、また既存の事業からの脱却ができないことに大きな問題があるのではないかと感じています。まずはこれらの解決を図り、その過程の中で個別の課題が浮き彫りになっていくと思います」
――具体的にはどのようにアプローチをしますか。
「まずは職員全員と面談をして彼らのもっている情報、課題意識を把握した上で、具体的な解決策を考えていこうと思っています」
――不在の副町長についてはどうお考えですか。
「役場内部の行政経営については、民間の感覚で組織を動かす力が必要です。町長とは役割が違うものとして置かなくてはいけないポジションだと考えています。採用は公募で、できれば今春を目指していきたいと考えています」
――ごみ処理問題についてはどう取り組みますか。
「近隣自治体との連携を目指していかなくてはなりませんが、2市1町広域計画脱退による裁判について一定の解決が図られることが大前提になります。それまでの処理については民間への委託を続け、また一方で他自治体と交渉する機会を設けていかなくてはいけないと思っています。またごみの種類ごとの分別を通じて、資源化・減量化を促進したいと考えています」
――選挙時に税収が町民サービスに還元されてないということを訴えていました。
「小児医療費の無料化、学校給食の実現、公園の設置などマニフェストには幅広いものを書かせていただきました。まずは財政構造をはっきりさせ、行政改革をすることが不可欠。その上で必要な財源を確保し、順次マニフェストに沿って進めたいと思います」
―下水道事業に関しては。
「まずは現行の整備事業をスピードダウンし、整備事業費を削減します。また事業認可区域350haが終了次第、整備事業は休止し、合併浄化槽の導入を推進します。導入に関しては町民の皆様への説明責任を果たしながら粛々と進めたいと考えています」
――最後に町民3万3千人へのメッセージを。
「葉山は大きな潜在能力を有する町。町民皆さんの力をお借りしながらその魅力を存分に発揮し、葉山を世界に誇れる町にしたいと考えています。また町民皆さんが『葉山に住んで良かった』と夢や希望を感じてもらえる町づくりをしていきたいと考えています」
伊東氏「変わろうという町民の選択」 森氏「政治引退し“育じい”に」
葉山町議会議員を13年務めた経験を掲げ、選挙戦に臨んだ伊東氏。地縁や組織票を固めた上でまちの転換期を訴えたが及ばなかった。15日午後10時頃、事務所に姿を見せた伊東氏は「応援していただいたのに申し訳ない」と深々と頭を下げ、「この結果は葉山町民が変わろうとしているという選択だったと思う。ただ選挙期間中は多くの町民の方に応援していただけた」と冷静に受け止めた。
また前町長の森氏は1期4年の実績を訴え、選挙戦を展開したが大差での落選となった。任期を終えて「政策や実績という点では認められるはずだったが、若さという点で大きな差があった」と振り返った。また今後については「政治は引退し、これからは一町民として見守りたい。また学童保育のサポートをする”育じい”のようなボランティア活動に取り組みたい」と話した。
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