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逗子・葉山 人物風土記

公開日:2014.07.04

「野菜ソムリエ」として商品企画や親子向けの食育イベントなどを行う
中川 雅博さん
逗子市新宿在住 33歳

野菜の魅力を伝えたい

 ○…「自分が買ってきたものとは全く違う。野菜ってこんなにも美味いんだ」。26歳の時、採れたてのほうれん草を口にして目が覚めるような思いをした。新鮮で濃い、大地の恵みをたっぷりつめこんだ野菜はこうも味が違うのかと。「この感動を、他の人にも伝えたい」。工場勤務を経て飲食業に携わり、将来の道筋を模索していた最中、たどり着いた先は野菜の魅力を伝える伝道師だった。

 ○…日に焼けた肌が白いシャツに良く似合う。「畑仕事をしているもので」と浮かべる笑みが屈託ない。生産者と消費者を繋ぐイベントやセミナーを企画する一方で、自らも土に触れ汗を流す。伝えたいのは野菜そのものの味はもちろん、作る上での生産者の思いや苦労、その背景だ。「食べることはいわばマラソンのゴールテープを切るようなもの。前段を知ればより深く、魅力を知ることができる」。ともすれば安さだけで食品が選ばれがちな社会。だが、野菜の尺度は値段だけにあらず。手を抜かず、丹精込めた先でしか得られない価値がある。それを伝えるのが”伝道師”としての役割と心得る。

 ○…野菜ソムリエとしてとりわけ力を注ぐのが食育活動。市民団体と共同で地域の親子を募り、生産の現場へと連れて行くツアーを年に数回企画する。自ら汗をかいて収穫した野菜をその場で食す、その旨さたるや。子どもたちの反応を目にするのが何よりの楽しみだ。「五感で味わうことは現場でしかできない。生産の裏側を知れば、食べ残しや好き嫌いも少なくなるんじゃないかと思うんです」

 ○…ささやかな夢がある。手をかけた畑で獲れた野菜を食す収穫祭を催すことだ。「食材がなくなったらスーパーで買ってくる、じゃなく畑にあるものを採ってくる」。そんな青写真を描く。何でも気軽に買うことができる反面、見失われがちな作ることの尊さ。「それこそ現代に必要なものなのかもしれないですね」

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