東京五輪種目の「ウインドサーフィン女子RSX級」で日本代表に内定している横須賀市在住の須長由季選手が、延期となった1年間の活動費捻出に苦慮している。
葉山新港を拠点に、町在住で2008年北京五輪に出場した小菅寧子さんの指導のもと練習を再開したが、想定外のコロナ禍により金銭面を含め大幅な計画の見直しを迫られている。特に海外遠征費が重荷となってのしかかり、所属先のミキハウスのサポートだけでなく、新たなスポンサーを獲得することが喫緊の課題だ。
* * *
須長選手は数年前から小菅さんをコーチに迎えた。かつては国内外の大会でしのぎを削っていたライバルだったが、それぞれ得意な風域が真逆。風の弱いコンディションを苦手とする須長選手に、小菅さんが体の使い方や機材のチューニング方法を指導する。
須長さんは2月末にオーストラリアで開かれた最終選考で日本人最高位を獲得。2012年のロンドン以来、2大会ぶりとなる出場切符を手にした。東京五輪延期の発表は、本番を想定した準備に取り掛かり始めた矢先の出来事。「多少の混乱はあったが、状況が状況なので受け入れるしかなかった」と本人。
現在は練習時間を十分確保できるとポジティブに捉えているという。小菅さんも「課題をつぶす時間ができた。須長選手にとってとてもプラスになる」と語る。
しかし、1年後を見据えてリスタートを切る形となり、緊急事態宣言が解けた5月末から本格的な練習を再開したが、選手活動の継続には大きな費用負担を伴う。海外レースの遠征費とコーチング費、用具代などをトータルして1千万円超が必要という。
「練習と並行して資金集めも進めているところだが、正直厳しい」と須長選手は困惑の表情を浮かべる。8年前にロンドン五輪の出場を決めた時とは経済的な事情を含めて全く異なる状況にあり、精神的なタフさが求められている。「掴んだチャンスをあきらめるわけにはいかない。応援してくれるスポンサーに熱意をアピールし続ける」と力を込めた。
500万円めざす
須長選手をサポートしようと地元経営者らが「(仮称)須長由季 横須賀応援団」の設立を準備している。横須賀法人会会長で東建設代表取締役の小池克彦さんが発起人を務め、目標額を500万円に設定。
「支援を通じて須長選手の夢を共有しよう」と小池さんは協力を呼び掛ける。具体的な活動などはこれから発表するという。問い合わせは同応援団事務局(ティアーズ)【電話】046・840・1273
|
<PR>
逗子・葉山版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|