俳優で児童虐待をテーマにした映画『189』に出演した 坂元 亮介さん 逗子市在住 62歳
燃やし続ける俳優魂
○…経済的な不安や地域での孤立など、様々な要因で増加の一途を辿る児童虐待。その現状を真正面から捉えた映画『189』に出演した。12月3日に公開を控え、「苦しむ子どもたちを助ける一助になれば」と広報活動に奔走している。
○…逗子生まれ逗子育ち。親はかつて山の根や久木にあった「阪本印刷所」を営んでいた。5歳から近所の日本舞踊教室に通い、14歳で名取、17歳で当時最年少の師範となったことをきっかけに、スカウトされて芸能界デビュー。「舞踊家として、芸の肥やしになればという思いでした」と振り返る。
○…学園ドラマや大河ドラマなどへの出演を経て、スーパー戦隊「超電子バイオマン」で主役のレッド役を務めて一躍有名に。1年間にわたる撮影はケガがつきもので、「ボロボロになりながら走り抜けました」という。その後も、映画やテレビ、舞台で活躍。しかし、多忙を極める生活は心身をむしばみ、「燃え尽き症候群」に。結婚したタイミングで故郷の逗子に戻った。家業を手伝いながら、地域貢献を行う逗子葉山青年会議所と商工会青年部に入り、改めて生まれ育った街に向き合った。「外を歩けば知り合いに会える温かい場所だと再確認した。今振り返れば充電期間でした」。40代に入り、旧知の監督からオファーを受けて芸能界に復帰した。
○…正義のヒーローを演じてから、常に自分を律してきた。5年前にステージ3の食道がんを患い、余命宣告を受けた時も、「ヒーローが弱々しい姿を見せてはいけない」と闘病生活を乗り切った。「今の自分があるのは逗子で生まれ育ち、多くの人の支えがあたから。これからは地域に恩返しをしたい」。新たな使命を胸に、俳優魂を燃やし続ける。
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