デフリンピック女子バレーボールに日本代表として出場する 中田 美緒さん 葉山町出身 21歳
努力重ね切り拓く道
○…来月1日にブラジルで開催される「デフリンピック」女子バレーボールに日本代表として出場する。聴覚に障害のある選手の国際大会で、出場するのは2回目。前回に続き、優勝することを目標に掲げる。「金メダルを葉山に持ち帰りたい」と意気込みを語る。
○…葉山町出身。生まれつき難聴だが、小学校からサッカーに親しむなど、物怖じしない活発な子だった。県立平塚ろう学校中等部1年でバレー部に入部。以来、持ち前の運動神経を生かしてメキメキと実力をつけた。ゲームを組み立てるセッターとしてはもちろん、高速無回転サーブにも磨きをかけ、高等部1年の時にはアメリカで開かれたデフバレーの世界選手権に初出場。4位となり、「ベストサーバー」にも選ばれた。
○…前回のデフリンピックでは代表チームで最年少ながらも主力選手として活躍。現在は全国屈指の強豪として知られる東海大学女子バレー部で練習を積んでおり、昨年には日本一を経験した。寮生活を送りながら4年間、トップクラスの選手と厳しい練習に打ち込んできた自負はある。「前回は先輩たちにたくさん助けられた。今回はチームを引っ張っていきたい」
○…入部時は、チームメートに自身の障害やできること、できないことについてパワーポイントを用いて伝えた。「聴覚障害は一人ひとり違う。そのことを伝えたかった」。努力を続けられる理由に家族の存在を挙げ、「普段は会えないけどラインでいつも励ましてくれる」と笑顔で語る。現在、教職課程を履修しており、将来は学校の先生になることが夢だ。「子どもたちに自分の経験を伝えたい」。優しさを胸に道を切り拓く姿は、これからも多くの人を勇気づける。
2018年10月5日号