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逗子・葉山 人物風土記

公開日:2022.09.23

マンモグラフィ検診会を初めて開催する
藤井 ともみさん
逗子市在住 46歳

自らの経験 誰かの糧に

 ○…乳がんの早期発見に繋げてもらおうと、「マンモグラフィ検診会」を企画している。これまで3度の罹患を乗り越えてきた自身の経験を語る「お話会」や、子どもたちが遊べるブースも設置予定。「家族や周囲の理解も深まったら」と笑顔で語る。

 ○…29歳の時、初めて乳がんを患った。「胸というより、鎖骨の下に錠剤のようなしこりができ、数カ月放置してしまった」。当時は「高齢女性がなるもの」という認識が一般的で、診断した医師も「20代は2人目」と驚かれた。すぐに抗がん剤治療を始め、左胸を全摘。「当時は実感がわかなかった。仕事の仲間たちが外へ連れ出してくれたり、支えてくれました」と振り返る。

 ○…その後、再発や転移があり、余命6カ月と宣告されたことも。「子どもはできない」と言われていたが、一時期、抗がん剤治療を中断して命を授かった。妊娠を機に夫の実家のある逗子へ移住。愛娘は4歳になった。「乳がん起業家」としても活動し、2年ほど前から同じ経験を持つシングルマザーの支援団体に寄付していたところ、「経験を伝えて」とオファーされたことが今回の企画のきっかけ。「早期発見で5年後の生存率は99・8%。『乳がん=不幸』ではないと多くの人に知ってほしい」

 ○…認知度は向上し、患者を支える制度も充実してきたものの、コロナ禍による検診率の減少など新たな課題も出てきた。地域で発信することで「自分事」にしてもらおうと、マンモの手配や通常より半分以下に抑えた分の検診費用は自ら捻出した。「人生は有限で一度きり。だからこそ好きなことをして、楽しく生きたほうがいい」。ポジティブな行動とメッセージで、多くの人を照らし励ます。

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