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公開日:2023.10.06

近代美術館葉山
地域と共に歩み20年
「記憶に残る体験を」

  • 県立近代美術館 葉山(上)アントニー・ゴームリー『Insider Ⅶ』(右下)西雅秋『大地の雌型より』(左下)

 葉山町一色の「神奈川県立近代美術館 葉山」が10月11日(水)に開館20周年を迎える。これまでの観覧者数は延べ約128万人、開催してきた展覧会総数は120を数える。また、あす7日(土)からは20周年記念の展覧会も始まる。水沢勉館長に、葉山館の歴史、美術館としての見どころ、楽しみ方を聞いた。

 葉山館は1951年開館の鎌倉館(2016年閉館)、84年開館の鎌倉別館に続き、3番目の県立近代美術館として2003年10月11日にオープンした。

 県立美術館は既に近隣の鎌倉に2館あり、県西部や相模原方面への設置の意見もあった一方で、葉山は自然環境、別荘文化、御用邸など、文化を味わう施設に向いているということから建設が決まった。

 都心から車で1時間という近さにありながら、自然豊かな場所にある同館。目の前の海も漁船やヨットのような小さな船しか行き来はない。水沢館長は「おそらく人が文化的に暮らし始めた頃と情景は変わっていないのでは。そういう中で芸術文化の可能性を追求する場として、この葉山館はある」とその存在意義を語る。

 建物周囲の庭園や中庭には21点の彫刻やオブジェが展示されており、開館中はいつでも自由に見ることができる。水沢館長は「観覧者として数えられていないが、彫刻作品を見に来られているお客様もたくさんいる」と語った。「展覧会を見なくても、この場に来ることで自然や文化に触れることが出来る。美術館や博物館は本来そうあるべき」と庭園の大切さを強調した。

記念展覧会7日から

 同館は開館20周年を記念してあす7日から、館名に掲げる「近代(モダン)」文化が多様に展開した1920年代を再考する「100年前の未来:移動するモダニズム1920〜1930」を開催する。会期は2024年1月28日(日)まで。

 関東大震災によって夭折した久米民十郎の特集展示、20年代に日本人作家が海外で制作した作品やコレクターが招来した海外作品の紹介、魯迅が中国で展開した近代木版画運動の最初期作品などが見どころ。

 問い合わせは県立近代美術館 葉山【電話】046・875・2800 

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