葉山町、逗子市、横須賀市にまたがる二子山山系では2013年頃からイノシシが確認され、農業被害も出ている。イノシシの捕獲活動を行う「葉山町鳥獣被害対策実施隊」(臼井康之隊長)によれば今年1月、はやま三ヶ岡山緑地にも現れたという。監視の末に6頭を発見。5月2日には人家にほど近い、あじさい公園内でメス1頭を捕獲した。住宅地に近い場所での出現に人的被害も危険視される。
現在、二子山に生息するイノシシは12年12月から13年1月に放たれたと思われる5頭が始まり。イノシシは繁殖力が高く、1回の出産で4〜5頭を産むといわれているが、二子山のイノシシはさらに多産で、7頭産んだ例が3回ある。また、これまでは10月が出産時期の限度と思われていたが、最近捕まった1頭は12月生まれと推測され、生まれる期間が長くなったことも増加の原因と考えられる。23年度末までに累計で522頭が捕獲され、現在も70頭前後が生息しているとみられる。
昨年度に二子山全域で捕獲されたイノシシは109頭。そのうちの65頭は同隊が葉山町内で捕らえた。年度が変わって4月には8頭、5月には5頭と、捕獲ペースは昨年を上回る勢いだ。
臼井隊長は「三ヶ岡山まで我々の活動範囲が広がると手が回らなくなる可能性もある。残っている5頭からまた数が増えてくれば他の地域への移動もあり得、そうなると今のメンバーだけでは対応しきれないので、行政の力を借りることになると思う」と予想した。
葉山わな猟の会10周年
葉山町鳥獣被害対策実施隊の母体でもある「葉山わな猟の会」が設立10周年を迎え、5月25日に湘南国際村センターのロフォス湘南で懇親会を開催した。事前に行われた総会で新たに選任された臼井代表は「会の平均年齢は63・7歳」と会員の高齢化に触れた上で、「活動が低下するとイノシシが爆発的に増えることになりかねない。そうなれば人的被害の可能性も出てくるが、それだけは防ぎたい」と危機感を募らせた。
同会副代表と実施隊副隊長を務める三井修さんは「いままでは被害にあった農家がメンバーになることが多かったが、狩猟が趣味という人でも『地域貢献』という精神をもって加わってくれれば、罠のかけ方など技術はしっかり教える」と後継者育成にあたる。
昨年、葉山町内で同隊が捕獲した65頭のうち、25頭がまだ正式な隊員となる前のオブザーバーと呼ばれる修行中のメンバーが捕獲した。わなは獣道にしかけ、最低週に2回は確認作業を行うなど、相当な労力を必要とし、若い世代の力が必要とされている。
同実施隊についての問い合わせは、葉山町環境課【電話】046・876・1111
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