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逗子・葉山 人物風土記

公開日:2025.05.02

一社)日本アウトリガーカヌー協会(JOCA)の代表理事を務める
尾花 充さん
逗子市小坪在住 59歳

カヌーに身を捧ぐ

 ○…細長い艇体の横に浮きを取り付けたアウトリガーカヌーの全日本選手権を目前に控え、準備に奔走する日々を送る。マリンスポーツとしては数少ないチームスポーツ。「助け合いの精神が魅力」の一つでもある同競技を広く普及させることが今大会の目的だ。

 ○…高校時代にサーフィンを始め、大学に入ってからはずっとウインドサーフィンをやってきた。90年代後半の夏、材木座を散歩しているときにアウトリガーカヌーに出合う。声を掛けられ、短パンにTシャツのまま少し乗ってみると「楽しくて仕方なかった。どっぷりはまった」と振り返る。今は世界遺産となったパラオのロックアイランドで2000年に出場した大会。岩間を縫うように漕いで、その素晴らしさに感動した。「一生続けよう」と思った瞬間だ。

 ○…東京出身だが子育てを機に逗子に移住してきて28年。2004年に自分のカヌークラブを立ち上げ、小さな子ども、年配者、ハンデキャップのある人でも気軽に楽しめるカヌーの魅力を地元で広めてきた。息子と海外の大会に参加したことは懐かしい思い出だ。19年には全国各地のクラブと連携し、さらなる普及を目指し、日本アウトリガーカヌー協会(JOCA)を設立し代表に就任。大会の開催や無料体験会などを通じ、「カヌーの楽しさを伝えていきたい」

 ○…仕事を早期リタイアし、カヌーはライフワークになった。「夢は数千人規模で1週間くらいレースをしているような本格的な国際大会を日本で開催すること」。カヌー人口は少しずつ増えている。そこに国際大会が開かれれば、競技人口が増え、自然とすそ野も広がっていくはず。これからも目標に向かってパドルを漕ぎ続ける。

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