逗子市商工会(山上良会長)の創業支援による開業件数が2024年度は41件だった。前年度の28件から大幅に増え、過去最高件数を更新した。今年度はさらなる支援策として交流地点の開設、創業融資の利子補給制度、広報・販路開拓支援を新たに増やし、創業を目指す人たちを後押しし、開業件数50件を目指す。
同商工会の創業支援事業の開始は2016年。創業スクールは年1回のリアル開催と、いつでも受講できる動画配信方式のオンデマンド開催が選べる。3年前からはテストマーケティングに有効なキッチンカー「ドリームキッチン」もスタートした。
創業についての相談は24年度は140件。相談員1人あたりの相談件数は35件にのぼる。23年度の相談員1人当たりの創業相談件数の全国平均が8・5件であることと比較すると、いかに逗子市内の活動が活発であるかが分かる。同商工会の栗原大輔さんは件数の増加について、「逗子市民の方は意欲的でスキルを持っている人が多いことと、23・24年度はコロナ明けでリアルの創業スクールが行われたことも要因だと思う」と分析する。
業種は飲食業が多く、約半数を占め、美容系や医療系がそれに続く。
今年度、新たに展開する支援策のひとつ「交流地点」は8月オープン予定。利子補給制度については「資金が足りないとスタートでつまずいてしまうので、伴走支援ができたらと思っています」と話す。
手厚い支援
昨年10月、逗子6丁目に開業したラザニア専門店「Yokohama Lasagna(ラザーニャ) SORA」も創業支援を受けた店のひとつ。オーナーの大木蔵人さん(50)はもともとフレンチの料理人で、ソムリエとして葉山や鎌倉のレストランで勤務した経験も持つ。一方で「世界一ラザニアが好きな男」を自認。50歳までに自分の店を持つということが夢だったところ、現在8歳の双子の娘の「ラザニアのお店やったら」の一言で開業を決意した。「候補地として逗子と横浜を考えていたが、商工会の手厚い支援が決め手」となり、逗子での開業に決めた。
事業計画書を作る際に、商工会から段階的に送られてくるYouTube動画にそって進めることで、金融機関の審査も問題なく通過。開業するにあたっての心構えなどもレクチャーを受けたので、不安なくスタートを切れたという。「開業後もごみの業者についてや、補助金についてなど、親身に相談に乗ってもらっています」と感謝する。これから創業を目指す人に向けては、「不安なことが多いと思いますが、くじけそうなときはしっかり支えてくれます。ぜひチャレンジしてみてください」とエールを送る。
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