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逗子・葉山 人物風土記

公開日:2026.10.23

葉山町でフリーダイビングの公式大会を主催した「リトルブルー」代表の 武藤 由紀さん 葉山町下山口在住 54歳

  • 武藤 由紀さん (写真1)

海は”天命であり天職”

 ○…スキューバダイビングのような空気ボンベなどの呼吸具を使わず、自らの息だけで水中に潜り、深さを競う。その公式大会開催に奮迅した。会場は名島沖約1・8キロ。水深5m〜40mの間で競技者は自己申告で任意の距離を選択し、それをクリアする。

 ○…競技にはじめて触れたのは、20年ほど前。知人に紹介され、海の世界へとダイブした。「目を閉じ、全身で水圧を感じながら、より深く。次第に海の一部になったかのような感覚に」。フリーダイビングは他人との勝負という側面もあるが、大切なのは自分の内面との向き合い。「感情の揺らぎや緊張がそのまま酸素消費に直結する」。自らと深く対話する魅力を知り、2011年から約10年間は、日本代表として世界大会で実績を重ねた。

 ○…元々はIT企業で17年間働く会社員だったが、「海と生きる生活を」と10年前に葉山へ移住。実は国内において、十分な水深と安全基準を満たした「公式大会」を開ける海は極めて少なく、関東では現在、真鶴と葉山に限られる。地元の漁協やダイビングショップなどと長年丁寧な対話を重ね、22年に町公認の競技スポットを開設し、葉山を首都圏から最も近い貴重な公式拠点へと育て上げた。

 ○…現在は葉山を拠点に三浦半島で素潜りスクールを展開する「リトルブルー」の代表を務める。初心者から競技者までの指導や講習に立ち会う日々だ。「仕事と休みの境界線はまったくなくて、プライベートも含めて全てが海なんです」と弾けるような笑顔を見せる。休日も海へ出るが、「天職に出会えて本当に幸せ。これ以外の選択肢はありません」ときっぱり。人生を注ぎ込む海を通じ、人とまちを心地よく結びつけていく。

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