逗子・葉山 人物風土記
公開日:2026.11.06
視覚障害者を支える催し「ブラインドワールド!」実行委の代表を務める 澤崎 弘美さん 逗子市新宿在住 58歳
常に当事者とともに
○…Nothing about us without us--。世界的な権利擁護のスローガンを自身の行動原理にも落とし込み、「当事者のいないところでは当事者の話をしない」と信念を持って語る。今年で8回目を迎える同イベントをけん引してきた。
○…きっかけは、眼科医として日々患者と向き合う中で、視覚障害者が情報不足や喪失感により社会から孤立してしまう現実を目の当たりにしていたこと。「医療で目を治す『機能的回復』だけでは不十分。心を取り戻す『心理的回復』、そして地域と再びつながる『社会的回復』の3つが揃って初めて回復と言える」。その橋渡しを担おうと、最新の支援機器の体験や相談などが1カ所で叶うワンストップの場を立ち上げた。
○…東京都出身。2001年に逗子へ移住し、現在は横須賀市で夫が整形外科、自身が眼科を担うクリニックの副院長を務める。17年に院内の小さな催しから始まった試みは、回を重ねるごとに当事者や支援者の輪が広がり、今では参加した人が翌年の運営スタッフとして活躍する好循環が生まれた。「使命感というより、自分自身が一番楽しんでいるし、皆さんから元気をもらっている」と自然体で語る。
○…歩行訓練士を招いた誘導支援の研修会や視覚障害者向けのヨガなども精力的に実施。月に1度、池子の森を舞台に、障害の有無を問わず参加できる「みんなでラン&ウォーク」も主催するなど、余念がない。そんな多忙な日々の息抜きは、体を動かすジム通いや、気ままな一人旅だ。毎年イベントを開くたびに喜んでくれる人がいる。「だからこそ、終わりはないですね」。柔らかな眼差しで、当事者とともに拓く未来をまっすぐに見つめている。
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